最終更新日:2026年7月29日
大人の歯肉炎の治し方|症状・原因と自宅ケア、歯医者を受診する目安
「歯磨きをすると歯ぐきから血が出る」
「最近、歯ぐきが赤く腫れている」
「奥歯の周りを押すと痛い」
このような症状がある場合は、歯肉炎が起きている可能性があります。
この記事では、大人の歯肉炎で見られる症状、主な原因、自宅でできるケア、治るまでの期間、市販薬の考え方、歯科医院で受ける治療について解説します。
大人の歯肉炎は早めのケアで改善を目指せる
歯肉炎は、歯ぐきの赤みや腫れ、歯磨き時の出血などが見られる状態です。
歯肉炎の段階で原因となるプラークを取り除き、口の中を清潔に保つことができれば、健康な歯ぐきへの回復を目指せます。
歯肉炎は歯ぐきに炎症が起きている状態
健康な歯ぐきは、一般的に薄いピンク色で引き締まっています。
歯と歯ぐきの境目にプラークがたまると、プラークに含まれる細菌の影響で歯ぐきに炎症が起こります。
炎症が起きた歯ぐきは赤くなり、丸みを帯びて腫れたり、わずかな刺激で出血しやすくなったりします。
初期には痛みがほとんどない場合も多いため、歯磨き中の出血を「強く磨いたからだろう」と見過ごしてしまう方もいます。
しかし、弱い力で磨いているのに繰り返し出血する場合は、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。
歯周病へ進む前に対処することが大切
歯肉炎では、炎症が主に歯ぐきにとどまっています。
これに対して歯周炎では、歯と歯ぐきの間の溝である歯周ポケットが深くなり、歯を支える歯槽骨などにまで炎症が広がります。
歯周炎が進行して失われた歯槽骨は、歯ぐきの腫れが治まったからといって簡単に元へ戻るものではありません。
そのため、歯ぐきの出血や腫れに気づいた段階で原因を確認し、歯周炎へ進む前に対処することが大切です。
自宅ケアだけでよいかは状態によって変わる
軽度の歯肉炎で、原因が柔らかいプラークであれば、歯磨きやフロスの使い方を見直すことで改善する可能性があります。
しかし、プラークが唾液中の成分によって石灰化すると、硬い歯石になります。
歯石は歯ブラシやフロスでは取り除けません。表面がざらついているため、さらにプラークが付着しやすくなり、歯ぐきの炎症が続く原因になります。
歯石がある場合は、歯科医院で専用の器具を使って除去する必要があります。
歯肉炎や軽度の歯周炎では、ブラッシング指導と歯石除去によって改善が認められることがあります。
痛みがなくても炎症が進んでいることがある
歯周病は、初期には強い痛みが出にくい病気です。
歯ぐきの赤みや出血、口臭などがあっても、日常生活に大きな支障がないため、受診せずに放置してしまうことがあります。
しかし、痛みがないことと、問題がないことは同じではありません。
膿が出る、歯がぐらつく、噛みにくいといった症状が現れた時点では、歯を支える組織の破壊が進んでいる場合があります。
大人の歯肉炎で見られる主な症状をチェックする
歯肉炎では、次のような症状が見られることがあります。
ひとつでも当てはまる場合は、歯磨き方法を見直すとともに、症状が続くようであれば歯科医院で確認してもらいましょう。
歯ぐきの赤み・腫れ
健康な歯ぐきは引き締まっていますが、炎症が起きると赤みを帯び、丸みを持って腫れたように見えます。
特に、歯と歯の間にある三角形の歯ぐきや、歯と歯ぐきの境目が赤くなっている場合は注意が必要です。
口の中全体ではなく、磨き残しが多い場所や、詰め物・被せ物の周囲だけが腫れることもあります。
歯磨きのときの出血
歯ブラシやフロスを使ったときに繰り返し出血する場合は、歯肉炎や歯周炎が疑われます。
強く磨いて歯ぐきに傷がつき、一時的に出血することもありますが、弱い力で磨いても毎回出血する場合は注意が必要です。
出血するからといって、その部分を避けて磨くと、さらにプラークがたまりやすくなります。
強い痛みや大量の出血がなければ、やわらかめの歯ブラシを使ってやさしく清掃しましょう。
歯ぐきの痛みや違和感
一般的な慢性の歯肉炎では、強い痛みがない場合も少なくありません。
一方、炎症が強くなると、歯ぐきがむずがゆい、浮いたように感じる、押すと痛い、歯磨きの際にヒリヒリするといった症状が出ることがあります。
ズキズキする強い痛みや、噛んだときの痛みがある場合は、歯肉炎以外の病気も考える必要があります。
奥歯の周りが腫れる・押すと痛い
一番奥の歯ぐきが腫れている場合は、通常の歯肉炎だけでなく、親知らずの周囲に炎症が起きている可能性があります。
斜めに生えている親知らずや、途中までしか生えていない親知らずの周囲は、歯ブラシが届きにくく、食べ物やプラークがたまりやすい場所です。
受診の目安
口が開きにくい、飲み込むと痛い、頬まで腫れている、発熱がある場合は、その日のうちに歯科医院または歯科口腔外科へ連絡してください。息苦しさや水分も飲み込めないほどの症状がある場合は、救急医療機関を受診しましょう。
口臭やねばつき
プラークや歯石がたまっていると、口臭や口の中のねばつきが気になることがあります。
歯周炎が進行すると、歯ぐきからの出血や膿が口臭の原因になることもあります。
ただし、口臭には舌の汚れ、口腔乾燥、虫歯、食生活なども関係します。口臭だけで歯肉炎と判断することはできません。
膿や顔の腫れがある場合は至急相談する
歯ぐきを押したときに白色や黄色の膿が出る場合は、単純な軽度の歯肉炎ではなく、歯周炎や歯の根の感染などが疑われます。
腫れた場所を強く押したり、針などで穴を開けたりして、自分で膿を出そうとしてはいけません。
膿が出る、顔まで腫れる、発熱する、飲み込みにくい、口が開けにくいといった症状がある場合は、その日のうちに歯科医院または歯科口腔外科へ連絡してください。息苦しさや水分も飲み込めないほどの症状がある場合は、救急医療機関を受診しましょう。
歯肉炎の主な原因
磨き残しによるプラーク
歯肉炎の主な原因は、歯と歯ぐきの境目にたまるプラークです。
プラークは単なる食べかすではありません。
多くの細菌を含む粘着性のある汚れで、歯の表面に付着し、うがいだけでは十分に取り除けません。
特にプラークが残りやすいのは、次のような部分です。
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歯と歯ぐきの境目
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歯と歯の間
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奥歯の後ろ側
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歯並びが重なっている場所
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親知らずの周囲
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詰め物や被せ物の境目
歯ブラシだけでは届きにくい場所もあるため、フロスや歯間ブラシを併用することが大切です。
歯石が付着している
磨き残したプラークは、時間がたつと唾液中の成分によって硬い歯石になります。
歯石は歯ブラシでは取り除けません。また、歯石の表面はざらついているため、さらにプラークが付きやすくなります。
下の前歯の裏側や上の奥歯の外側などは、特に歯石が付きやすい場所です。
歯石がある状態で歯磨きだけを続けても炎症が改善しにくい場合は、歯科医院で除去してもらう必要があります。
生活習慣や喫煙
喫煙は、歯周病の発症や進行に関係する重要な要因です。
喫煙によって歯ぐきの血流が影響を受けると、炎症があっても出血や赤みが目立ちにくくなることがあります。
そのため、見た目では症状が軽くても、歯周病が進んでいる可能性があります。
また、睡眠不足や不規則な生活によって口腔ケアがおろそかになることも、歯ぐきの状態に影響します。
ホルモンバランスや体調の影響
歯肉炎の基本的な原因はプラークですが、ホルモンバランスや全身状態によって炎症が強く現れることがあります。
妊娠中や思春期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期には、少量のプラークでも歯ぐきが腫れやすくなる場合があります。
また、糖尿病などの全身疾患、服用している薬、疲労、睡眠不足、ストレスなどが歯ぐきの状態に影響することもあります。
歯周病は喫煙や糖尿病などとの関連も報告されています。
持病や服用薬がある方は、歯科医師へ伝えておきましょう。
合っていない詰め物・被せ物が関係することもある
詰め物や被せ物に段差やすき間があると、その周囲にプラークがたまりやすくなります。
また、被せ物の縁が歯ぐきに強く当たっている場合も、歯ぐきの炎症を繰り返す原因になることがあります。
毎回同じ場所だけが腫れる場合や、詰め物の周囲から出血する場合は、詰め物・被せ物の状態も確認してもらいましょう。
自宅でできる歯肉炎の治し方

自宅ケアの基本は、歯肉炎の原因となるプラークをできるだけ残さないことです。
ただし、歯石や進行した歯周病は自宅では治療できません。
セルフケアは、歯科医院での検査や治療の代わりではなく、歯肉炎の改善と再発予防のための基本的な取り組みです。
歯と歯ぐきの境目をやさしく磨く
歯肉炎がある場合は、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先を当て、小刻みに動かします。
力を入れて大きくこする必要はありません。
歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で、1本ずつ丁寧に磨きましょう。
歯ぐきが腫れていると出血することがありますが、強い痛みがなければ、やわらかめの歯ブラシでやさしく清掃します。
フロスや歯間ブラシを使う
歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークを十分に取り除けないことがあります。
歯と歯のすき間が狭い場所にはデンタルフロス、すき間が広い場所には歯間ブラシが向いています。
歯間ブラシは、サイズが大きすぎると歯ぐきを傷つける可能性があります。
無理に押し込まず、自分に合ったサイズを使いましょう。
強く磨きすぎない
歯ぐきから出血すると、「もっと強く磨いて汚れを落とさなければ」と考える方がいます。
しかし、強く磨いても歯肉炎が早く治るわけではありません。
歯ぐきを傷つけ、痛みや出血を悪化させる可能性があります。
長期間強い力で磨き続けると、歯ぐきが下がったり、歯の根元が削れたりする原因にもなります。
大切なのは力の強さではなく、歯ブラシの毛先を必要な場所へ正確に当てることです。
洗口液は補助として使う
洗口液には、口の中を清潔に保ったり、プラークが増えるのを抑えたりする補助的な働きが期待できるものがあります。
ただし、洗口液でうがいをするだけでは、歯の表面に付着したプラークや歯石を取り除けません。
歯ブラシ、フロス、歯間ブラシによる清掃を基本とし、洗口液は補助として使用しましょう。
歯肉炎を治す食べ物だけに頼らない
バランスのよい食生活は、歯ぐきや全身の健康を保つうえで大切です。
しかし、特定の食べ物を取るだけで、歯に付着したプラークや歯石がなくなるわけではありません。
ビタミンなどを含む食品を取っていても、歯と歯ぐきの境目にプラークが残っていれば炎症は続く可能性があります。
「歯ぐきによい食べ物」だけで治そうとせず、毎日の清掃と歯科医院での確認を優先しましょう。
数日で変化がなくても自己判断で放置しない
セルフケアを見直しても腫れや出血が続く場合は、歯石や歯周ポケット内の汚れが残っている可能性があります。
また、歯の根の感染や親知らずなど、歯肉炎以外の原因で腫れていることもあります。
「もう少し待てば自然に治る」と考えて放置せず、症状が続く場合は歯科医院で原因を確認しましょう。
歯肉炎はどれくらいで治る?
歯肉炎が改善するまでの期間は、炎症の程度、プラークや歯石の量、歯磨きの状態、全身状態などによって異なります。
一律に「何日で治る」と判断することはできません。
軽度ならケアの見直しで改善することがある
炎症が軽く、原因が柔らかいプラークであれば、適切な歯磨きとフロスを続けることで、赤みや出血が少しずつ改善することがあります。
ただし、症状が軽くなっただけで、原因が完全になくなったとは限りません。
プラークが再びたまれば歯肉炎も再発するため、症状が落ち着いた後もセルフケアを続ける必要があります。
歯石がある場合は自宅ケアだけでは限界がある
歯石は歯ブラシでは取り除けません。
歯石が付着したままではプラークが残りやすく、炎症が改善しにくくなります。
市販の金属製器具などを使って自分で歯石を取ろうとすると、歯や歯ぐきを傷つける危険があります。
歯科医院で歯石を除去してもらいましょう。
出血や腫れが続く場合は歯科医院で確認する
丁寧に磨いても出血や腫れが続く場合は、歯石が残っているだけでなく、歯周炎へ進行している可能性もあります。
特に、膿が出る、歯が揺れる、歯ぐきが下がった、噛みにくいといった症状がある場合は、早めに歯周病の検査を受けましょう。
痛みが続く期間は炎症の程度で変わる
軽度の歯肉炎では、強い痛みがない場合も多くあります。
眠れないほどの痛み、ズキズキする痛み、顔の腫れ、発熱などがある場合は、歯肉炎以外の感染症が考えられます。
痛み止めだけで長期間様子を見ず、顔の腫れや発熱を伴う場合はその日のうちに歯科医院または歯科口腔外科へ連絡してください。息苦しさや水分も飲み込めないほどの症状がある場合は、救急医療機関を受診しましょう。
自然治癒を待ちすぎると歯周病が進むことがある
一時的に腫れや出血が治まっても、原因となるプラークや歯石が残っていれば、炎症を繰り返す可能性があります。
歯周病は痛みが少ないまま進行することがあるため、「痛くなくなったから治った」と自己判断しないことが大切です。
歯肉炎に市販薬は使える?
歯ぐきの腫れや痛みに対応した塗り薬、洗口液、歯磨き剤などが市販されています。
これらは症状を一時的に和らげる補助として使えることがありますが、歯肉炎の原因となるプラークや歯石を直接取り除くものではありません。
市販薬で一時的に症状が楽になることはある
市販の塗り薬や洗口液によって、歯ぐきの痛みや不快感が一時的に軽くなることがあります。
使用する場合は、対象年齢、用法、使用回数を守り、持病やアレルギー、服用薬がある方は薬剤師などへ確認しましょう。
症状が続く場合は、薬を繰り返し使用するだけでなく、歯科医院を受診してください。
薬だけで原因を取り除けるわけではない
歯肉炎の主な原因となるプラークや歯石は、薬を塗るだけでは除去できません。
プラークは歯ブラシやフロスなどで取り除き、歯石は歯科医院で除去する必要があります。
市販薬によって痛みや出血が一時的に減っても、原因が残っていれば再発する可能性があります。
抗生物質を自己判断で使わない
以前に別の病気で処方された抗菌薬が残っていても、自己判断で服用してはいけません。
歯ぐきの腫れに抗菌薬が必要かどうかは、原因や感染の広がりによって異なります。
適切でない抗菌薬を使用すると、十分な効果が得られないだけでなく、副作用や薬剤耐性の問題につながることがあります。
市販薬を使っても改善しない場合は受診する
市販薬を使用しても腫れや出血が続く場合は、歯石、進行した歯周病、歯の根の感染、親知らずなどが関係している可能性があります。
薬で症状を抑え続けるのではなく、歯科医院で原因を確認することが必要です。
眠れないほど痛い場合は至急相談する
眠れないほどの痛み、顔の腫れ、発熱、口が開きにくい、飲み込みにくいといった症状がある場合は、軽い歯肉炎だけでは説明できないことがあります。
感染が周囲へ広がっている可能性もあるため、その日のうちに歯科医院または歯科口腔外科へ連絡してください。息苦しさや水分も飲み込めないほどの症状がある場合は、救急医療機関を受診しましょう。
歯茎の炎症や腫れがあるときに考えられること
歯ぐきが腫れているからといって、必ずしも原因が歯肉炎とは限りません。
歯肉炎による腫れ
歯と歯ぐきの境目にプラークがたまり、複数の歯の周囲が赤く腫れている場合は、歯肉炎が考えられます。
歯磨きやフロスの際に出血しやすいことも特徴です。
歯周病が進んでいる可能性
歯ぐきの腫れに加えて、膿、口臭、歯のぐらつき、歯ぐきが下がるといった症状がある場合は、歯周炎が進行している可能性があります。
歯科医院では、歯周ポケットの測定やレントゲン撮影などによって、歯を支える骨の状態を確認します。
歯の根や親知らずの周囲に炎症がある可能性
一部分だけ大きく腫れている場合は、歯の根の先に膿がたまっている、歯の根が割れている、親知らずの周囲に炎症が起きているといった可能性があります。
治療済みの歯の周囲が腫れた場合や、噛むと強く痛む場合は、歯の内部や根の状態を確認する必要があります。
疲れやストレスで症状が出やすくなることがある
疲労や睡眠不足、ストレスなどによって体調が崩れたときに、もともと問題がある歯ぐきが腫れやすくなることがあります。
ただし、疲れやストレスだけが腫れの原因とは限りません。
同じ場所が繰り返し腫れる場合は、歯周病や歯の根の感染などが隠れていないか確認しましょう。
膿を自分で出そうとしない
腫れた部分を強く押す、針で刺す、爪で傷つけるといった行為は避けてください。
一時的に膿が出ても、感染の原因がなくなるわけではありません。
傷口から新たな細菌が入ったり、炎症が周囲へ広がったりする可能性があるため、歯科医院で適切な処置を受けましょう。
歯医者では歯肉炎にどんな治療をする?

歯ぐきの検査を行う
歯科医院では、歯ぐきの色や腫れ、出血の有無を確認します。
必要に応じて、歯と歯ぐきの間に器具を入れて歯周ポケットの深さを測り、歯のぐらつきや膿の有無などを調べます。
レントゲン撮影を行い、歯を支える骨に変化がないか確認することもあります。
歯石除去やクリーニングを行う
歯や歯ぐきの周囲に付着した歯石やプラークを、専用の器具で取り除きます。
歯ぐきの中まで歯石が付着している場合は、複数回に分けて処置を行うことがあります。
歯肉炎の治療では、原因となるプラークを日常的にコントロールすることと、セルフケアでは取れない歯石を除去することが基本です。
ブラッシング方法を確認する
患者さん自身が毎日プラークを取り除けるように、歯ブラシの当て方やフロス、歯間ブラシの使い方を確認します。
磨き残しやすい場所は、歯並びや詰め物・被せ物の状態によって異なります。
自己流で強く磨くのではなく、自分の口に合った道具と方法を知ることが大切です。
歯周病に進んでいないか確認する
歯周ポケットが深い、歯を支える骨が減っている、歯が揺れている場合は、歯肉炎ではなく歯周炎として治療を進めます。
歯周炎では、歯ぐきの中に付着した歯石を除去する処置や、噛み合わせの確認など、状態に応じた治療が必要です。
定期的なメンテナンスで再発を防ぐ
歯肉炎が改善しても、プラークが再びたまれば炎症は再発します。
自宅でのケアに加えて、歯科医院で定期的に歯ぐきの状態、磨き残し、歯石の有無などを確認してもらいましょう。
メンテナンスの間隔は、歯周病の程度やプラークの付きやすさ、セルフケアの状態によって異なります。
歯肉炎でやってはいけないこと
出血するからといって歯磨きをやめる
出血する場所を避けると、プラークがさらにたまり、炎症が悪化する可能性があります。
強い痛みや大量の出血がなければ、やわらかめの歯ブラシを使ってやさしく清掃しましょう。
強く磨いて炎症を悪化させる
力を入れて磨いても、歯肉炎が早く治るわけではありません。
強い力でこすると歯ぐきを傷つけ、出血や痛みが増える可能性があります。
毛先が広がらない程度の力で磨くことが大切です。
痛み止めや市販薬だけで様子を見る
痛み止めや市販薬は、症状を一時的に軽くするものであり、プラークや歯石、感染源を取り除くものではありません。
薬が切れると痛みが戻る場合や、同じ場所が繰り返し腫れる場合は、歯科医院を受診しましょう。
腫れや出血を長期間放置する
繰り返す出血や腫れは、歯ぐきに炎症が続いているサインです。
「痛くないから大丈夫」と放置していると、歯周炎へ進行する可能性があります。
歯周病の手遅れ症状が出るまで我慢しない
歯が大きく揺れる、硬いものが噛めない、膿が繰り返し出るといった症状がある場合は、歯を支える組織の破壊が進んでいる可能性があります。
歯周病は、早く発見して治療を始めるほど、歯を残すための選択肢を確保しやすくなります。
症状が重くなるまで我慢せず、出血や腫れの段階で相談しましょう。
よくある質問
軽度の歯肉炎はどうやって治しますか?
歯と歯ぐきの境目に付着したプラークを、歯ブラシやフロスで丁寧に取り除きます。
歯石が付着している場合は自宅では取れないため、歯科医院で歯石除去やクリーニングを受けます。
症状が軽くても、出血や腫れが続く場合は、歯周炎へ進んでいないか検査を受けましょう。
歯肉炎は何日で治りますか?
改善するまでの期間は、炎症の程度、歯石の有無、歯磨きの状態、全身状態などによって異なります。
軽度であればセルフケアの改善によって比較的早く変化が見られることもありますが、「何日で必ず治る」とは限りません。
歯肉炎に市販薬は使えますか?
歯ぐき用の塗り薬や洗口液によって、一時的に痛みや不快感が軽くなることはあります。
ただし、市販薬では歯に付着したプラークや歯石を取り除けません。
使用しても改善しない場合や症状を繰り返す場合は、歯科医院で原因を確認しましょう。
歯肉炎が痛いときはどうすればよいですか?
患部を強く触ったり、膿を自分で出そうとしたりせず、できる範囲で口の中を清潔に保ちます。
眠れないほどの痛み、顔の腫れ、発熱、飲み込みにくさ、口の開けにくさがある場合は、その日のうちに歯科医院または歯科口腔外科へ連絡してください。息苦しさや水分も飲み込めないほどの症状がある場合は、救急医療機関を受診しましょう。
大人の歯肉炎は自然に治りますか?
原因となるプラークを適切に取り除くことができれば、軽度の歯肉炎は改善する可能性があります。
ただし、何もせずに待っているだけでは原因となる汚れはなくなりません。
歯石が付着している場合や、すでに歯周炎へ進行している場合は、自宅ケアだけでは改善が難しいため歯科治療が必要です。
歯肉炎と歯周病の違いは何ですか?
歯肉炎は、炎症が主に歯ぐきにとどまっている状態です。
歯周炎は、炎症が歯を支える骨や歯根膜などにまで広がり、歯周組織が破壊されている状態です。
歯肉炎と歯周炎を合わせて、一般的に歯周病と呼びます。
歯肉炎の段階で原因を取り除き、歯周炎への進行を防ぐことが大切です。
まとめ
大人の歯肉炎は、歯と歯ぐきの境目にたまったプラークによって起こることが多く、早い段階で適切なケアを始めれば改善を目指せます。
自宅では、歯と歯ぐきの境目をやさしく磨き、フロスや歯間ブラシを併用してプラークを残さないようにしましょう。
ただし、強く磨くことや、市販薬だけで長期間様子を見ることは避けてください。
歯石は自宅では取り除けません。
「痛くないから大丈夫」と判断せず、出血や腫れが続く場合は、歯科医院で歯ぐきの検査を受けましょう。
早めに原因を確認し、歯科医院でのクリーニングと毎日のセルフケアを組み合わせることが、歯周病の進行を防ぎ、大切な歯を守ることにつながります。
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この記事の監修者
スカイビル歯科 院長
三島 彰太
日本歯科大学生命歯学部卒業 / 令和6年 スカイビル歯科院長就任
患者さまの状況やニーズに合わせて、保険治療・自由診療・各種クリーニング・審美治療など、最適な治療をご提案しております。


