診療時間
9:30~13:30
14:30~19:30

★:10:00~13:00、14:00~17:00

休診日:祝日・年末年始

〒220-0011
神奈川県横浜市西区高島2-19-12 スカイビル17F(横浜駅東口直結 徒歩3分)

tel. 045-624-9633
  • 地図
  • メニュー
公開日:2026年3月25日
最終更新日:2026年4月4日

歯ぎしりの原因と治し方|放置すると歯が割れる?歯科医師が解説

「朝起きると顎がだるい」「家族に歯ぎしりを指摘された」といったお悩みはありませんか?
歯ぎしりや食いしばりは、ご自身では気づきにくい一方で、歯や顎に大きな負担をかける習癖です。

単なる「寝ている間の癖」と軽く考えられがちですが、実際には歯のすり減り、詰め物や被せ物の破損、歯根破折、顎関節への負担など、放置することでさまざまなトラブルにつながることがあります。

本記事では、歯ぎしり・食いしばりとは何か、原因、セルフチェック、歯に与える深刻なダメージ、そして歯科医院で行う治療法まで、歯科医師の立場から詳しく解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは?

歯ぎしりや食いしばりは、口腔内の悪い習癖であり、専門的にはブラキシズム(bruxism)と呼ばれます。

単なる「寝ている間の音」や「無意識の癖」と軽く捉えられがちですが、実はその破壊力はとても大きく、歯や顎の骨に対して、日常の食事(咀嚼)の際の数倍から十数倍もの負荷がかかっていると言われています。

このブラキシズムは、起きている時に無意識に行う「覚醒時ブラキシズム」と、睡眠中に行われる「睡眠時ブラキシズム」に大別されます。

特に睡眠中は、脳による制限制御が弱まり、自分の体重以上の力、時にはそれ以上の圧力が歯の一点に集中することもあります。放置すると、歯の寿命を大きく縮めてしまう要因になり得ます。

歯ぎしり(グラインディング)と食いしばり(クレンチング)の違い

歯ぎしり(グラインディング)と食いしばり(クレンチング)は、どちらもブラキシズムに含まれますが、動き方と負担のかかり方が異なります。

グラインディング(歯ぎしり)

上下の歯を横にギリギリと強く擦り合わせる、もっとも代表的なタイプです。就寝中に「ギリギリ」と音が出ることが多く、家族や同居人に指摘されて気づくケースがあります。

歯の表面が摩耗しやすく、歯の先端や噛む面がすり減ったり、詰め物や被せ物が欠けたりする原因になります。

クレンチング(食いしばり)

上下の歯をギュッと強い力で噛みしめ続けるタイプです。グラインディングと異なり音が出にくいため、本人も周囲も気づきにくいのが特徴です。

一方で、垂直方向に非常に強い力がかかり続けるため、歯根破折や顎関節への負担、筋肉疲労などにつながることがあります。

夜間だけでなく日中にも起きている

「歯ぎしりは寝ている時だけ」と思われることがありますが、実際には日中の食いしばりも少なくありません。

本来、人間の上下の歯は、食事や会話のとき以外は接触していないのが正常です。ところが、パソコン作業やスマホ操作、運転、緊張している場面などで、無意識に歯を当て続けてしまうことがあります。

この“弱い接触”でも長時間続けば顎の筋肉は疲労し、夜間の歯ぎしりを誘発するきっかけになることがあります。

歯ぎしり・食いしばりの原因

なぜ歯ぎしりをしてしまうのでしょうか。近年では、単一の原因ではなく、心理的要因、睡眠、噛み合わせ、生活習慣などが複合的に関わると考えられています。

①ストレス・緊張(最大の原因)

もっともよく知られているのが、ストレスや緊張、不安との関係です。

特に食いしばりは、仕事中や集中しているとき、我慢しているときなどに無意識で起こりやすく、心理的負荷が高いほど増えやすいとされています。

臨床的にも、「気づくと奥歯を強く噛んでいる」「朝起きるとあごがだるい」「忙しい時期に悪化する」という方は少なくありません。

②噛み合わせの問題

以前は「噛み合わせのずれが歯ぎしりの主因」と考えられることもありましたが、現在は噛み合わせだけが主な原因とは言い切れないという見方が主流です。

ただし、噛み合わせの違和感や特定の歯への早期接触があると、一部の歯や顎関節に負担が集中しやすくなることはあります。

つまり、噛み合わせは「原因そのもの」というより、症状を悪化させる因子として考えるのが自然です。歯列全体や噛み合わせの改善が必要か知りたい方は、矯正治療や、歯の矯正治療とは?の記事も参考にしてください。

③飲酒・喫煙・カフェインとの関係

飲酒・喫煙・カフェインは、歯ぎしりや食いしばりとの関連が指摘されています。

アルコールは一見眠りを助けるように感じても、実際には睡眠を浅くしやすく、夜間の筋活動と関係することがあります。喫煙やカフェインも睡眠の質に影響し、夜間のブラキシズムを悪化させる可能性があります。

④睡眠時無呼吸症候群との関連

最近とくに注目されているのが、睡眠時無呼吸症候群との関連です。

睡眠中の呼吸障害や中途覚醒と、歯ぎしりが関連して起こるケースが報告されています。いびきが強い、日中の眠気が強い、起床時の頭痛がある方では、歯ぎしりだけでなく睡眠の質全体を見直すことも重要です。

【セルフチェック】あなたは歯ぎしりしてる?8つのサイン

歯ぎしりは「自覚がない」ことが一番の怖さです。
以下の項目で3つ以上当てはまる方は、歯ぎしり・食いしばりが起きている可能性があります。

  • 朝起きると顎がだるい
  • 歯の先端がすり減っていると言われたことがある
  • 詰め物や被せ物がよく外れる
  • 歯がしみることがある
  • 頬の内側に歯の跡がついている
  • 肩こりやこめかみの張りがある
  • 家族に歯ぎしりを指摘されたことがある
  • 集中すると奥歯を噛みしめていることがある

3個以上当てはまった方は、放置すると将来的に歯を失うリスクが高まる可能性があります。手遅れになる前に、一度精密検査を受けることが大切です。

歯ぎしりを放置するとどうなる?歯への5つのダメージ

歯ぎしりや食いしばりによって歯にかかる力は、私たちが日常的に食事をする際の力の比ではありません。
睡眠中などの無意識下では、自分の体重の数倍もの圧力が歯や顎に加わることがあります。

この異常な負荷を毎晩、あるいは日中の集中している時間帯に繰り返し受けることで、お口の中には少しずつ構造的なダメージが蓄積していきます。

①歯がすり減る・欠ける

もっとも代表的なのが、歯の表面が少しずつ削られていくことです。
ひどくなるとエナメル質の摩耗、象牙質の露出、知覚過敏、歯の小さな欠けにつながります。しみる症状がある方は、知覚過敏の原因と対処法も参考にしてください。

②詰め物・被せ物が割れる

歯ぎしりの力は天然の歯だけでなく、詰め物や被せ物にも繰り返しかかります。
そのため、レジン充填、インレー、クラウン、ブリッジなどが欠ける・外れる・割れる原因になります。

③歯根が折れる(歯根破折)

強い力が長期間かかると、歯の見えている部分だけでなく、歯ぐきの中の歯根にもダメージが及ぶことがあります。

特に神経を取った歯や、大きな土台・被せ物が入っている歯は、もともと割れやすくなっていることがあり、そこへ食いしばりや歯ぎしりの負荷が重なると歯根破折につながることがあります。

④顎関節症を引き起こす

歯ぎしりや食いしばりは、歯だけでなく、あごを動かす筋肉や顎関節にも大きな負担をかけます。

その結果、朝起きたときのあごのだるさ、口が開けにくい、あごが痛い、カクカク音がする、こめかみ周囲の張りなど、顎関節症のような症状が出ることがあります。

⑤歯周病が悪化する

歯周病そのものは細菌性プラークが主な原因なので、歯ぎしりだけで歯周病が始まるわけではありません。

ただし、すでに炎症のある歯ぐきや、支えが弱くなった歯に強い力が加わると、歯の動揺、噛むと痛い、歯周組織への負担増加といった形で状態を悪化させることがあります。歯ぐきの状態が気になる方は、歯周病治療もあわせてご覧ください。

歯ぎしりの治療法|歯科でできること

歯ぎしり・食いしばりの治療は、単に「やめさせる」ことだけが目的ではありません。
実際には、歯のすり減りや破折を防ぐこと、あごや筋肉の負担を減らすこと、原因となる生活習慣や緊張を整えることが大切です。

①ナイトガード(マウスピース)の作製【保険適用】

歯科で最も一般的に行われるのが、ナイトガード(就寝時に装着するマウスピース)の作製です。

ナイトガードは、歯ぎしりそのものを完全に止めるというより、歯のすり減り、欠け、詰め物・被せ物の破損、あごへの過剰な負担を減らすための保護装置として使われます。

②噛み合わせの調整

噛み合わせの調整は、特定の歯に強い力が集中している場合や、明らかな早期接触・高い被せ物などがある場合に行われます。
必要なケースでは、過大な負担を減らして症状の緩和につながることがあります。

ただし、現在は「噛み合わせ調整だけで歯ぎしりそのものが治る」とは言い切れないと考えられています。

③ボトックス治療(自費)

近年は、咬筋などにボツリヌストキシン製剤を注射して、筋肉の過剰な力を弱める治療も行われています。

これにより、食いしばる力を軽くする、あごのだるさや筋肉痛を和らげることが期待されます。

自宅でできるセルフケア(ストレッチ・意識化法)

歯ぎしり・食いしばりは、歯科医院での治療だけでなく、日常生活でのセルフケアもとても重要です。

特に日中の食いしばりは、無意識の習慣として起こることが多いため、「上下の歯はふだん接触させない」と意識するだけでも負担軽減につながります。

歯列や噛み合わせ全体を見直したい方は、矯正治療や、歯の矯正治療とは?の記事も参考にしてください。

よくある質問

①歯ぎしりは子どもでもしますか?

はい、お子様(特に乳歯から永久歯への生え変わり時期)の歯ぎしりはよく見られます。
これは噛み合わせを調整するための生理的な現象であることが多いため、過度に心配する必要はありません。ただし、永久歯が生え揃っても続く場合は診察が必要です。

②マウスピースはどのくらいで作れますか?費用は?

最短2回の来院で作製可能です(1回目:型取り、2回目:お渡し)。
市販のものと違い、歯科医院で作製するものはご自身の歯型にぴったりフィットするため、外れにくく効果が高いのが特徴です。

③歯ぎしりは完全に治りますか?

歯ぎしりの原因の多くはストレスや無意識の習慣であるため、100%「止める」ことは容易ではありません。
しかし、マウスピース等の治療によって、「歯へのダメージを最小限に抑える」ことは十分に可能です。

まとめ

歯ぎしりや食いしばりは、無意識のうちにしていることが多く、ご自身では気づきにくい癖のひとつです。

しかし、続いてしまうと歯がすり減ったり、詰め物が外れたり、あごに負担がかかったりすることがあります。

気になる症状がある場合は、早めに歯科医院で相談することで、大切な歯を守りやすくなります。
朝の顎のだるさや歯のしみ、詰め物の破損などが気になる方は、スカイビル歯科までお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

スカイビル歯科 院長:三島 彰太

スカイビル歯科 院長

三島 彰太

日本歯科大学生命歯学部卒業 / 令和6年 スカイビル歯科院長就任

患者さまの状況やニーズに合わせて、保険治療・自由診療・各種クリーニング・審美治療など、最適な治療をご提案しております。