最終更新日:2026年8月24日
子供の口内炎は何科に行く?小児科・歯科・口腔外科の選び方
子供の口の中に白いできものや赤いただれを見つけると、「小児科と歯科のどちらへ行けばよいのだろう」と迷います。受診先は見た目だけでは決まりません。発熱や発疹があるか、水分を取れているか、歯や矯正装置が当たっていないかを合わせて考えましょう。
目安として、発熱・発疹・多数の口内炎・強いだるさなどがある場合は小児科、歯や矯正装置による傷が疑われ、症状が口の中に限られる場合は歯科・小児歯科が相談先になります。2週間ほどたっても改善しない、何度も繰り返す、原因が分からない場合は、歯科口腔外科を含めて詳しく調べてもらいましょう。
水分をほとんど取れない、尿が明らかに減っている、ぐったりしているときは、診療科選びより先に、早めの医療相談を優先してください。

子供の口内炎は何科に行く?症状別の目安
口の中だけに症状があるのか、全身にも変化があるのかを先に確認します。迷ったら、かかりつけの小児科へ相談し、口の中だけに原因がありそうなら歯科へつないでもらいましょう。
| 子供の様子 | 主な相談先の目安 | 急ぎ方の目安 |
|---|---|---|
| 発熱、発疹、強いだるさ、嘔吐などがある | 小児科 | 水分量と元気を見て早めに相談 |
| 口内炎が多数あり、歯ぐきも赤く腫れている | 小児科 | 飲めない場合は当日中に相談 |
| 欠けた歯や矯正装置が同じ場所に当たる | 歯科・小児歯科 | 診療時間内に連絡して調整を相談 |
| 口の中だけに1個から数個あり、歯の刺激が気になる | 歯科・小児歯科 | 悪化しなければ早めの予約を検討 |
| 2週間ほど改善しない、繰り返す、しこりや出血がある | 歯科口腔外科など | 2週間を待たず、悪化時は早めに相談 |
| 水分がほとんど取れない、尿が減る、ぐったりする | 小児科 | 当日中に連絡。意識・呼吸の異常やけいれんは119 |
この表は一般的な目安です。診療科の対応範囲は医療機関ごとに異なるので、受診前に電話で症状を伝えて確認してください。
発熱や発疹があるなら小児科
口内炎とともに発熱している、手足やお尻に発疹がある、喉の奥に水疱のようなものがあるときは、小児科で全身状態を確認してもらうのが基本です。感染症など全身の病気に伴う口の症状かもしれません。口内炎が一つだけに見えても、発熱、咳、鼻水、嘔吐、下痢、強い不機嫌などがあれば、小児科へ相談します。
口の中に多数の潰瘍があり、歯ぐき全体が赤く腫れて出血する、よだれが増える、痛くて飲み込めないときは、よくある一個だけの口内炎とは様子が違います。病名を家庭で決めつけず、いつからどのような順番で症状が出たかを小児科へ伝えましょう。
歯や装置の刺激が疑われるなら歯科・小児歯科
熱や発疹がなく、口内炎が一か所に限られ、ちょうどその場所に欠けた歯、尖った詰め物、矯正装置などが当たっているなら、歯科・小児歯科へ相談してください。頬や舌を繰り返し噛んだり、歯並びの関係で同じ場所に傷ができたりすることもあります。
歯科では傷そのものに加え、歯の尖り、詰め物、噛み合わせ、口の中の清潔さも確認します。矯正装置を使用中でワイヤーや装置が粘膜に当たる場合は、自分で切ったり曲げたりせず、治療を受けている歯科医院へ連絡してください。矯正治療については、当院の矯正治療の案内もご覧いただけます。

長引く・繰り返す・原因不明なら歯科口腔外科
刺激になりそうな原因を取り除いても2週間ほど改善しない、同じ場所に何度もできる、徐々に大きくなる、硬さや出血があるときは、歯科口腔外科などで詳しく評価してもらう目安です。一般的なアフタ性口内炎は自然に治ることが多いですが、すべての口の傷が同じ経過をたどるわけではありません。
最初から歯科口腔外科へ行きにくいときは、かかりつけの歯科や小児科へ相談して構いません。診察の結果に応じて、口の粘膜を専門的に診る医療機関や他の診療科を紹介してもらえます。
見た目や場所だけで原因を決めない
口の中を観察するときは、場所、色、大きさ、痛みの有無だけで原因や重症度を判断しないでください。照明や唾液の付き方でも見え方は変わります。
舌・唇・頬の内側・上あごにできる場合
口内炎は舌、唇の裏側、頬の内側、歯ぐき、上あごなど、さまざまな場所に現れます。舌や頬の内側なら噛み傷、上あごなら熱い食べ物によるやけど、と推測したくなりますが、場所だけでは断定できません。
直前に口をぶつけた、熱い物や硬い物を食べた、新しい矯正装置を付けた、乳歯が抜けかけている、といった出来事がなかったかを振り返りましょう。観察するときは、痛む部分を指や綿棒で何度も触らないでください。
白い、大きい、痛くない場合
アフタ性口内炎は、中央が白や黄白色で、周囲が赤く見えることがあります。白いからといって、重い病気や膿とは限りません。拭っても取れない白い変化が長く続く、硬いしこりがある、出血を繰り返すときは、見た目だけで様子を見続けず診察を受けましょう。
緊急度は、大きさや痛みの強さだけでは決まりません。経過と全身状態を合わせて考えます。大きくても自然に治る口内炎もあれば、痛みが弱くても確認が必要な変化もあります。
熱がなくても水分を取れない場合
発熱がなくても、飲水量、尿の回数、元気や反応を優先して確認してください。口の痛みで水やミルクを嫌がると脱水につながる可能性があります。食事を一食取れなくても、それだけで判断しないでください。
少量の水分も受け付けない、いつもより尿が明らかに少ない、口が乾いている、泣いても涙が少ない、ぐったりしているときは、その日のうちに小児科などへ連絡して相談してください。意識がはっきりしない、呼吸が苦しそう、唇が紫色、けいれんがある場合は119に連絡します。休日・夜間に受診の判断で迷うときは、子ども医療電話相談「#8000」も利用できます。

治らない・繰り返すときの受診目安
治るまでの日数は子供によって違います。日本口腔外科学会は、一般的なアフタについて7~10日で自然に治ることが多いと案内しています。この日数を待てばよいと決めつけず、悪化していないか、水分や食事を取れているかも確認しましょう。
1~2週間で改善しない
数日たっても痛みが強くなる、1~2週間たっても小さくならない、治りかけた場所が再び悪化するときは受診してください。歯や装置が当たり続けているなら、当たっている部分を調整しなければ傷が繰り返されます。
スマートフォンで一日一回程度、同じ明るさと距離から写真を撮っておくと、大きさや色の変化を医療者へ伝えやすくなります。撮影のために無理に口を開かせたり、患部を押したりする必要はありません。
出血・全身症状を伴う
口内炎からの出血が止まりにくい、鼻血や皮膚のあざも増えている、発熱が続く、顔色が悪い、体重が減っているなど、口以外の変化があるときは、小児科へ相談してください。水分を取れない、尿量が減る、ぐったりする、嘔吐を繰り返す変化も、当日中に相談してください。
「口内炎が何個なら危険」と単純には決められません。急に多数できたときは、感染症を含む全身の評価が必要になる場合があります。
重い病気を自己診断しない
長引く口内炎を検索すると、白血病や口腔がんなどの病名が表示されることがあります。口内炎があるという情報だけで重い病気は判断できません。「痛くないから大丈夫」とも決められません。
病名を予想し続けるより、長引く、繰り返す、口以外にも症状があるときに診察を受けてください。受診時は、いつからか、何個あるか、過去にもあったか、服用中の薬、持病、食事量などを伝えると診断しやすくなります。
子供に多い感染症と口の症状
発熱や発疹を伴う口内炎は、家庭で病名を確定せず、小児科で判断してもらいましょう。感染症が関係していることも、見た目が似ることもあるためです。
ヘルペス性歯肉口内炎
単純ヘルペスウイルスに初めて感染したときは、発熱、強い口の痛み、多数の水疱や潰瘍、歯ぐきの赤み・腫れ・出血などが現れることがあります。痛みで噛むことも飲み込むことも難しくなり、水分が取れなくなる場合もあります。
タオル、食器、歯ブラシの共用を避け、手を洗います。唾液や患部との接触を介して感染する可能性があるからです。薬を自己判断で塗らず、小児科へ相談してください。症状の強さや発症からの時間によって対応が異なります。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナでは、水分を取れているかをよく観察します。乳幼児に多い感染症で、突然の発熱と、喉の奥にできる小さな水疱や潰瘍が特徴とされています。口の前方だけを見ても分かりにくいです。喉の痛みから飲食を嫌がる場合もあります。
無理に固形物を食べさせる必要はありません。少量ずつの水分も取れない、尿が減った、ぐったりしている場合は、早めに小児科へ連絡してください。
手足口病
手足口病では、口の中に加えて、手のひら、足の裏や甲、お尻などに水疱を伴う発疹が現れることがあります。厚生労働省によると、発熱は38度以下のことが多く、多くは3~7日で治るとされています。まれに重い合併症を伴うこともあるため、全身状態の観察が必要です。
家庭では手を洗い、タオルの共用を避けます。おむつ交換後は、排泄物の付いたおむつを袋に入れて捨て、手を洗います。感染は飛沫、接触、便を介して広がることがあります。登園や登校は、病名だけで一律に判断しないでください。全身状態や食事の状況を確認し、園・学校の方針や医療者の指示に従いましょう。
薬・市販薬を使う前に確認すること
子供用と書かれた口内炎薬でも、使用できる年齢、使用部位、回数は製品によって異なります。医薬品医療機器総合機構(PMDA)も、「小児用」という商品名でも年齢によって使えない場合があるため、箱や添付文書で対象年齢・使う部位・用量と回数を確認し、薬剤師へ年齢を伝えるよう案内しています。口の中に使う薬は飲み込む場合もあります。不明な点は薬剤師、医師または歯科医師へ相談しましょう。
大人用の薬を自己判断で使わない
家にある大人用の塗り薬や痛み止めを、量だけ減らして子供へ使うのは避けてください。年齢や体重に合わない成分や、子供には適さない薬の形が含まれることがあります。以前処方された薬の残りは、別の口内炎に使わないでください。
塗り薬や飲み薬は原因により異なる
アフタ性口内炎、歯による傷、ウイルス感染などでは、必要な対応が異なります。「口内炎なら必ずステロイドを塗る」「感染症だから抗菌薬で治る」と一律にはいえません。感染症の種類によっては抗菌薬が効かず、塗り薬が適さない場合もあります。
市販薬を使っても悪化する、痛みで薬を塗れない、口内炎が多数あるときは、使い続ける前に受診してください。
食べられないときは水分状態を優先する
痛くて食事を取れないときは、無理に食べさせず、まず水分を少量ずつ試します。冷たすぎない水や、年齢・状態に合った飲み物を、一口ずつ回数を分けて与えると、受け入れやすくなります。経口補水液が適するか分からない場合は、小児科や薬剤師へ確認してください。
水分を与えても吐く、飲み込めない場合は、その日のうちに小児科へ連絡してください。反応が鈍い、意識がはっきりしない場合は119に連絡します。
病院・歯科医院では何を確認する?
分かる範囲で次の情報を整理しておくと、診察が進みやすくなります。受診先では口内炎そのものに加え、発症までの経過や全身状態も確認します。
- いつ気づいたか、最初より増えたか
- 口のどこに何個あるか
- 発熱、発疹、嘔吐、下痢、咳などがあるか
- 水分量、食事量、尿の回数に変化があるか
- 口をぶつけた、頬や舌を噛んだ可能性があるか
- 新しい歯、詰め物、矯正装置が当たっていないか
- 使用した市販薬、服用中の薬、アレルギーや持病
- 家族、保育園、幼稚園、学校で似た症状が出ていないか
小児科では全身状態や感染症の可能性を中心に診ます。歯科では歯や装置からの刺激、噛み合わせ、口の中の清潔さなどを中心に診ます。必要に応じて、歯科口腔外科や他科へ紹介されることがあります。
家庭でできるケア
受診までの間や、軽い症状を観察するときは、痛みを増やさず、水分不足を防ぎます。無理な処置は傷を悪化させやすいです。
刺激の少ない食事と水分補給
熱すぎる物、香辛料の強い物、酸味や塩味の強い物、硬く尖った食品はしみやすいので、症状がある間は控えます。冷ましたスープ、やわらかく煮た麺、豆腐、ヨーグルトなど、子供が食べやすい物を選びましょう。食物アレルギーと、年齢に応じた誤嚥(食べ物が気管に入ること)にも注意してください。
一度に多く飲ませるのが難しいときは、少量ずつ試します。飲むたびに強く痛がる、半日待たなくてもいつもより尿が明らかに少ない、ぐったりしている場合は、その日のうちに小児科へ連絡してください。
口の中を無理なく清潔に保つ
やわらかめの歯ブラシを使い、傷を直接強くこすらず、できる範囲で清潔を保ちます。口内炎があるからといって歯磨きを完全にやめると、汚れが増えて口が不快になりやすいです。口をゆすげる年齢なら、水で軽くゆすいでも構いません。
刺激の強いうがい薬は痛むことがあるので、自己判断で繰り返し使わないでください。普段の清掃は、予防・メインテナンスのページも参考にしてください。
触る・潰す・焼くことはしない
白い部分を爪や綿棒で剥がす、水疱を潰す、市販の器具や薬品で焼く行為は避けてください。傷が深くなったり、感染を広げたりする可能性があります。子供が舌や指で触り続けるときも、強く叱るのではなく、手洗いをして別のことに注意を向けましょう。
歯科で相談できる範囲
歯科では、口内炎の原因になる歯や装置の刺激を確認し、必要に応じて尖った部分や矯正装置を調整します。同じ場所を繰り返し噛む場合は、歯並びや噛み合わせも確認します。症状だけを抑えるのではなく、傷が繰り返される原因を探します。
発熱や発疹がある、口内炎が急に多数できた、水分を取れない、全身状態が悪い場合は、小児科での評価を優先します。長引く粘膜の変化や原因が分からない口の傷では、歯科口腔外科などの専門医療機関と連携することがあります。
当院の診療内容や院内設備は医院案内でご確認いただけます。子供の口の傷を歯科で診られるか迷うときは、症状と年齢を事前にお伝えください。受診を希望される方は初診予約・受診の流れをご確認ください。
よくある質問
熱がない子供の口内炎は歯科でよいですか?
熱や発疹がなく、口の中だけに1個から数個の口内炎があり、歯や矯正装置の接触が疑われる場合は、歯科・小児歯科へ相談できます。熱がなくても、水分を取れない、ぐったりしている、急に多数できた場合は、小児科への相談を優先してください。
口内炎が何日続いたら受診すべきですか?
水分を取れない、発熱や発疹がある、出血が止まりにくいなどの症状があれば、日数に関係なく早めに相談してください。数日で悪化する、1~2週間たっても改善しない、同じ場所に繰り返す場合も受診してください。
市販の口内炎薬を子供に使ってよいですか?
製品によって対象年齢や使用できる症状が異なります。添付文書を確認してください。原因が分からない、多数ある、感染症が疑われる場合は、使う前に薬剤師、医師または歯科医師へ相談してください。大人用の薬や以前の処方薬を自己判断で使わないでください。
口内炎で水分が取れないときはどうすればよいですか?
飲める状態なら、一口ずつ回数を分けて試します。それでもほとんど飲めない、尿が減る、ぐったりする、繰り返し吐く場合は、その日のうちに小児科などへ連絡してください。意識がはっきりしない、呼吸が苦しそう、唇が紫色、けいれんがある場合は119に連絡します。
口内炎は家族にうつりますか?
噛み傷や一般的なアフタ性口内炎が、そのまま家族へうつるわけではありません。ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルパンギーナ、手足口病など、原因となる感染症は周囲へ広がる場合があります。発熱や発疹を伴うときは、手を洗い、タオルや食器、歯ブラシの共用を避け、小児科へ相談してください。
まとめ
水分を取れない、尿が減る、ぐったりする変化は、口内炎の見た目より先に確認してください。受診先は、場所や色だけではなく、全身症状と原因になりそうな刺激から判断します。発熱、発疹、多数の口内炎、歯ぐき全体の腫れ、強いだるさがある場合は小児科、歯や矯正装置が当たる局所的な傷は歯科・小児歯科が主な相談先です。2週間ほど改善しない、繰り返す、原因が分からない場合は、歯科口腔外科を含めて詳しい評価を受けましょう。
迷ったときは診療科を一人で決めきらず、かかりつけの小児科や歯科へ電話で症状を伝え、適切な受診先を確認してください。
参考情報・出典
- 日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」
- 日本小児科学会「単純ヘルペスウイルス感染症」
- 国立成育医療研究センター「ヘルパンギーナ」
- 厚生労働省「手足口病」
- 日本小児科学会「手足口病」
- 日本小児科学会「新型コロナウイルス感染症等流行時における小児の発熱時の対応について」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 厚生労働省「子どもの症状は#8000」
- 医薬品医療機器総合機構「市販のくすりを使用する場合の注意」
※本記事は一般的な情報を提供するもので、個別の診断に代わるものではありません。子供の症状や全身状態に不安がある場合は、医療機関へご相談ください。
この記事の監修者
スカイビル歯科 院長
三島 彰太
日本歯科大学生命歯学部卒業 / 令和6年 スカイビル歯科院長就任
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