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歯医者の保険外治療(自由診療)とは?保険治療と保険外治療の違い

最終更新日:2025年12月30日

歯医者の保険診療と自由診療の違い

歯医者の治療には、大きく分けて保険診療と自由診療の2種類があります。
どちらも患者さんのお口の健康を守るための治療ですが、選べる素材や治療方法、費用、仕上がりなどに違いがあります。

自由診療の種類は多岐にわたるため、今回は全体的な概要について説明していきます。

それぞれの治療を理解し、自分に合った選択をするために、まずはこの2つの特徴を知っておくことが大切です。

保険治療とは

保険治療とは、国が定めたルールに基づき、病気に対しての必要最小限の治療と機能回復を目的として行う治療のことです。
虫歯治療、歯周病治療、入れ歯など、多くの一般的な治療が保険の対象になります。

治療内容や使える材料、治療方法、治療の流れは厚生労働省が細かく決めており、どの歯科医院でも基本的に同じ基準で治療が行われます。

保険治療のメリット

費用負担が少ない

保険がきき、治療費の一部を患者さんが負担する形のため、治療費が安くなります。

必要最低限の機能が確保される

噛む・話すといった日常生活に必要な基本的な機能を回復する目的の治療が受けられます。

保険治療のデメリット

材料や治療法に制限がある

より自然な見た目や耐久性を求めても、保険制度上使える材料があるため限度があります(例:銀歯が適応になるケース、入れ歯の種類制限など)

審美性や耐久性は必ずしも優先されない

機能回復が目的のため、「見た目の美しさ」「長期的な快適さ」よりも、基準に合わせた治療が優先されます。

保険外治療とは

保険外治療(自由診療)とは、国の保険制度に縛られず、患者さんの希望やニーズに合わせて選べる治療のことです。
見た目の自然さ、快適さ、素材の耐久性など、保険治療では対応できない治療方法や材料が使用できます。

保険制度は「必要最低限の機能回復」を目的としているため、審美性や快適性・長持ちする素材などは適応外となる場合があります。
そのため、より質や選択肢を求めたい方のために、保険外治療という選択肢が存在しています。

保険外治療のメリット

①選択肢が広がる

保険診療では使用できない材料や治療方法が選べるため、患者さんの希望に合わせた治療が可能になります。
「治療法」「見た目」「装着感」「耐久性」など、優先したいポイントに合わせて選択できるのが特徴です。

②自然な見た目を目指せる

セラミックやジルコニアなど、歯の色や質感に近い素材を使用できるため、治療した箇所が目立ちにくく、自然な仕上がりを目指せます。

③快適性や耐久性に配慮した治療ができることがある

素材や製作工程にこだわることで、噛み心地やフィット感、長期的な使用に配慮した治療が可能な場合があります。
ただし、必ずしも「長持ち=保険外」という意味ではなく、状況や口腔環境によって適応は変わります。

保険外治療のデメリット

①費用が高くなる

保険制度の補助がないため、費用は全額自己負担となります。
治療内容によっては費用が高くなる場合があります。

②医院ごとに費用や内容が異なる

保険診療のように全国共通の基準がないため、治療方法や費用、保証内容などは医院によって違いがあります。
治療を検討する際には、事前の説明や見積もりが重要です。

③全ての治療に必要なわけではない

保険治療でも十分に機能を回復できるケースが多く、必ずしも保険外治療が適しているとは限りません。
目的や希望に合わせて選ぶ必要があります。

保険治療と保険外治療の材質の違い

①被せ物(クラウン)治療

歯の大きな虫歯や欠けた部分を修復する場合、被せ物(クラウン)による治療を行います。
この治療には保険治療と保険外治療の両方があり、使える素材や仕上がり、費用に違いがあります。

保険治療の場合

使用できる素材が決まっており、銀歯(金銀パラジウム合金)や硬質レジン前装冠(一部のみ白い素材)CAD/CAM冠が一般的です。
噛む機能の回復が目的で、耐久性はありますが、見た目への配慮は限定的です。

保険外治療の場合

素材や仕上がりの選択肢が広がり、セラミックやジルコニアなどの審美性の高い素材を選べます。
色や透明感が周りの歯に合わせやすく、自然な仕上がりを目指すことができます。

②詰め物(インレー)治療

虫歯を削った部分を埋める治療です。
虫歯が比較的小さい場合に用いられます。

保険治療の場合

使用できる素材は銀歯(金銀パラジウム合金、銀合金)、CAD/CAMインレーが中心です。
前歯や一部の部位では樹脂(レジン)が使用される場合もあります。

保険外治療の場合

セラミック・ハイブリッドセラミック・ジルコニアなどが選択可能です。
天然歯に近い色調で作製でき、自然な仕上がりになります。

③入れ歯(義歯)治療

歯を失った部分を補う取り外し式の補綴装置です。

保険治療

基本的にレジン床(プラスチック製)、レジン歯、金属のバネを使用します。
必要な機能は得られるが、厚みがあり違和感が出やすい場合があります。

保険外治療

金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、シリコン義歯など、軽量・薄型・審美性を重視した選択肢があります。

④ブリッジ治療

欠損部位の両隣の歯を支台とし、連結して補う固定式の治療です。

保険治療

銀歯(金銀パラジウム合金)または硬質レジン前装冠などで、審美性に限界があり、特に奥歯の場合は基本的に金属色になります。

保険外治療

ジルコニア・オールセラミックなど、天然歯に近い色調や透明感が得られます。

保険治療と保険外治療の治療法の違い

①歯周病治療

歯周病は、歯ぐきや骨など歯を支える組織に炎症が起こり、進行すると歯を失う原因となる病気です。
治療方法には、保険適応のものと自由診療として提供されるものがあります。

保険治療の場合

歯周病の進行度に応じて、歯石取り(スケーリング)、ルートプレーニング、歯周外科手術、定期検査などが行われます。
必要最低限の治療が制度上決められています。

保険外治療の場合

精密検査、歯周再生療法、レーザー治療、バクテリア検査、長期的なメンテナンスプログラムなど、医院ごとに内容が異なります。
より専門性・予防性・審美性に配慮した選択肢が含まれることがあります。

②抜歯(歯を抜く治療)

抜歯そのものは原則として保険診療ですが(便宜抜歯は保険外診療になります)、抜歯後の選択肢に保険外治療を選択する場合、抜歯自体も保険外治療になるケースがあるため、混同しやすい治療の一つです。

保険治療の場合

虫歯・歯周病で保存が難しい歯や親知らずの抜歯は基本的に保険適応です。
感染防止や治癒促進のために必要な処置や経過管理も保険内で行われます。

保険外治療の場合

抜歯の際、歯槽骨保存処置を行うことで骨の吸収を防ぎ、抜歯後の欠損補綴の選択肢が広がります。
歯槽骨保存処置(骨造成・ソケットプリザベーション)など。

③う蝕処置

保険治療の場合

使用できる材料や治療法が限定されているため、う蝕の範囲によって選択できる治療方法が決められています。

  • 小さな虫歯:コンポジットレジン(プラスチック)
  • 大きな虫歯:銀歯(金銀パラジウム合金)
  • 神経まで達した場合:抜髄治療(神経を抜く治療)+被せ物(保険適用素材)

保険外治療の場合

保険外治療は、保険の制限を受けずに行う治療です。
見た目・耐久性・精密さを重視した治療が可能です。

材料や治療方法を自由に選択できるため、神経を残す治療を選択することや、天然歯に近い見た目と噛み心地を再現する材質で修復することなど、再発リスクを抑える精密治療が可能です。

その他の保険外治療

①インプラント治療

インプラント治療とは、歯を失った部分に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療です。
天然の歯に近い噛み心地を目指せる選択肢として知られています。

特徴

  • ブリッジや入れ歯とは異なり、周囲の歯を削ったり、バネをかけたりする必要がありません。
  • 噛む感覚が天然歯に近く、違和感が少ないです。
  • 顎の骨量や全身状態などによって、治療できるかどうか判断が必要です。

②矯正治療

矯正治療は、歯並びや噛み合わせを整える治療方法です。
見た目だけでなく、噛む機能の改善・虫歯や歯周病の予防といった目的で希望される方もいます。

代表的な種類

  • ワイヤー矯正(メタル/審美ブラケット)
  • マウスピース矯正(透明で目立ちにくいタイプ)
  • 舌側矯正(裏側から装置を付ける方法)

特徴

  • 基本的に保険適用外です。(※先天的疾患や特定ケースでは保険適用の可能性あり)
  • 装置の種類や治療計画により費用や治療期間が変わります。
  • 治療中の見た目や快適性を考慮して装置を選択できます。

③審美治療(ラミネートベニアなど)

審美治療は、歯の見た目に配慮した治療を希望される方が選択するものです。
形状・色・バランスを整え、自然で美しい口元を目指します。

代表的な種類

  • ラミネートベニア(歯の表面に薄いセラミックを貼り付ける方法)
  • セラミック治療(詰め物・被せ物をより自然な素材で作製)

特徴

  • ホワイトニングでは改善できない色調・形態にも対応できる場合があります。
  • 審美性が高い素材は変色しにくく、見た目が長期間保たれやすいです。
  • 適応が限られるケースもあるため、診断が必要です。

④予防・メンテナンスプログラム

予防を重視したい方や、治療後の状態を長く維持したい方が選ぶことのあるメニューです。
保険で行う処置(歯石除去・検査など)とは目的が異なり、口腔内環境の質を高めることを重視します。

メンテナンス例

  • PMTC(専用機器によるクリーニング)
  • 歯質強化・フッ素ケア
  • 着色除去・バイオフィルム除去プログラム
  • 定期メンテナンス契約型プラン

特徴

  • 仕上がりの清掃性や快適感が高い傾向にあります。
  • 回数・期間・施術内容は医院ごとに異なります。

⑤再生医療

再生医療技術を応用し、歯や骨、歯周組織の再生を目指す治療です。
提供の有無や適応範囲は医院により異なります。

主な例

  • PRP(自己血小板利用療法)
  • CGF(成長因子フィブリン)
  • 歯周再生材料(エムドゲインなど)

特徴

  • 手術を伴う治療に併用される場合があります。
  • 治癒促進や組織再生を期待して選択します。
  • 症例に応じ適応を判断する必要があります。

まとめ

歯科治療には、保険診療と保険外診療(自由診療)の2つがあります。

保険診療は、治療費の負担を抑えながら、噛む機能を回復させることを目的とした治療です。
一方、保険外診療は、見た目の自然さや治療の精密さ、長く安心して使えることを重視した治療です。

それぞれに良い点があり、どちらが必ず良いということはありません。
歯の状態や治療する場所、見た目をどの程度重視したいか、将来的にどれくらい長く歯を保ちたいかによって、適した治療は変わります。

大切なのは、治療内容をきちんと理解し、納得したうえで選ぶことです。
分からないことや不安なことがあれば、遠慮せずに歯科医師やスタッフにご相談ください。一人ひとりに合った治療方法を一緒に考えていきましょう。