ジルコニアの歯の7つのデメリット|後悔する前に知るべき真実と向かない人の特徴
ジルコニアは「白い」「丈夫」「金属アレルギーの心配がない」と良い面ばかり強調されがちですが、実は知っておくべきデメリットも多く存在します。
高額な治療費を払ってから後悔しないよう、本記事ではジルコニアの7つの主要なデメリットと、他素材との違い、向かない人の特徴まで、歯科医師監修のもと包み隠さず解説します。
ジルコニアの歯の主要な7つのデメリット
1. 硬すぎることで対合歯(噛み合う歯)を傷める
ジルコニアは人工歯素材の中でも最も硬い部類の1つです。
そのため、噛み合う天然歯がすり減ったり、ヒビが入るリスクがあります。特に歯ぎしり・食いしばりのある方は注意が必要です。
対策としては、噛み合わせを歯科でしっかり確認することや、就寝時にナイトガード(マウスピース)を使用して歯を保護することが有効です。
2. 透明感がなく人工的な白さになりやすい
天然の歯は光を透過する性質がありますが、ジルコニアは光を通しにくい素材。
その結果、「真っ白すぎる」「少し不自然」と感じることも。
特に前歯など見た目を重視する部位では、透過性の高いe.maxなどのセラミックを検討すると自然な仕上がりになります。
3. 治療費が高額(1本10〜20万円)
保険適用外(自費診療)のため、1本10〜20万円が相場。
複数本を治療する場合は大きな経済的負担となるため、「長持ちする」というメリットと費用のバランスを考える必要があります。
4. 歯を削る量が多く神経へのダメージリスク
ジルコニアは十分な厚みを確保しないと割れやすい素材。
必要な厚みを持たせるために削る量が多くなると、神経に近づき、しみや痛みの原因になることがあります。
5. 装着後の微調整が必要になることがある
非常に硬い素材特性ゆえ、噛み合わせがわずかにずれているだけでも歯や歯根に負担がかかります。
装着後の調整や、定期的な咬合チェックを行うことで違和感を軽減できます。
6. 将来的な除去・交換時に歯へのダメージが大きい
セメントで強固に固定されているため、外すのがとても困難です。
除去の際には一部を削り落とす必要があり、天然歯にダメージが加わるリスクがあります。再治療を見越すと、柔軟性に欠ける素材とも言えます。
7. 長期安定にはメンテナンスが必須
長持ちさせるため、定期検診や日々のメンテナンスでトラブルを防ぐことが大切です。
ジルコニアと他の素材を徹底比較|デメリットの違い
セラミック(e.max)と比較したデメリット
- 審美性に劣る(やや光を通しにくく、人工的な白さになりやすい)
- 非常に硬く、対合歯をすり減らす可能性がある
銀歯・保険適用素材と比較したデメリット
- 費用が大幅に高い(自費診療)
- セラミック材料は厚みを持たせる必要があり、銀歯と比べて歯を多く削ることがある
比較表(主なデメリットの対比)
比較対象 | 主なデメリット |
---|---|
ジルコニア | 透明感の欠如、対合歯の摩耗、修理困難、費用高、硬すぎるリスク |
e.max | 強度がやや劣る、破損しやすい、歯を削る量が多い、保険適用外、ブリッジ不可のことも |
銀歯(保険素材) | 安価・保険適用は長所だが、見た目・耐久・衛生・健康面でセラミックに劣ることが多い |
ジルコニア治療で後悔する人の共通パターン
前歯に使用して不自然な仕上がりになったケース
- 色が浮いてしまった(周囲の天然歯より白く見え、「人工的な感じ」に)
- 透明感が不足している(自然歯特有のグラデーションや奥行きが再現しにくい)
- 笑ったときに違和感が出る(明るい光下で隣の歯との差が強調)
- 口元の印象が硬く見える(ガラス系セラミックに比べ柔らかい雰囲気が出にくい)
費用対効果に満足できなかったケース
ジルコニアクラウンは1本あたり10〜20万円前後と高額になりがちで、保険治療の銀歯やハイブリッドセラミックと比べると負担が大きくなります。
そのため、治療後に「思ったより見た目が自然ではなかった」「長持ちすると聞いていたのにトラブルが起きた」と感じると、費用に見合った価値を得られなかったと後悔する方がいます。
ジルコニアが向かない人の特徴
歯ぎしり・食いしばりが強い人
非常に硬いため、被せている歯へのダメージ、対合歯の摩耗、顎関節や歯根への負担増加がリスクとして考えられます。
ナイトガード(マウスピース)の併用でリスク軽減は可能ですが、別素材(e.maxなど)を選ぶ方が安心な場合もあります。
審美性を最重視する前歯の治療
強度は高いものの、光透過性が低いため透明感が出にくく「やや人工的な白さ」になりがちです。
その他、注意が必要なケース
- コスト面で慎重になりたい人(保険が効かず高額)
- 短期間だけの補綴を考えている人(強度・耐久性が活かせない)
まとめ
ジルコニアは強度や耐久性に優れた優秀な素材ですが、「硬すぎる」「透明感に欠ける」「費用が高額」などデメリットも存在します。
特に前歯の審美性を重視する方や歯ぎしりが強い方には注意が必要です。
治療を検討する際は、ジルコニアのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った素材かどうかを歯科医師と相談しながら決めることが大切です。
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