最終更新日:2026年4月7日
インプラントの一次手術・二次手術とは?流れ・期間・痛みの違いを歯科医が解説
インプラント治療を検討していると、「一次手術」「二次手術」という言葉を聞くことがあります。
ただ、実際には「何をする手術なのか」「2回も手術が必要なのか」「痛みは強いのか」と不安に感じる方も少なくありません。
インプラント治療では、顎の骨の状態や治療計画に応じて、1回の手術で進める方法と、2回に分けて進める方法があります。この記事では、一次手術・二次手術とは何か、それぞれの役割、流れ、期間、痛みの違いまでわかりやすく解説します。インプラント治療全体の基本を知りたい方は、歯を失ったときのインプラント治療とは?や、インプラントもあわせてご覧ください。
インプラントの一次手術・二次手術とは?
インプラント治療では、人工歯根であるインプラント体を顎の骨に入れ、その上に土台や被せ物を装着して噛める状態を作ります。
この治療の途中で行うのが、一次手術と二次手術です。
- 一次手術: 顎の骨にインプラント体を埋め込む手術
- 二次手術: 骨と結合したインプラント体の上に、土台をつけるために歯ぐきを整える手術
すべての症例で必ず二次手術が必要というわけではありません。治療法には、大きく分けて一回法と二回法があります。
一回法と二回法の違い
インプラント治療には、一回法と二回法があります。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 一回法 | 一次手術の時点で歯ぐきの上に部品を出しておき、二次手術を省略する方法 |
| 二回法 | 一次手術でインプラント体を歯ぐきの中に完全に埋め、骨と結合した後に二次手術を行う方法 |
現在も多くの症例で標準的に使われるのは二回法です。骨の状態や感染リスクへの配慮がしやすく、安定した治療計画を立てやすいためです。
一次手術とは?
一次手術は、インプラント体を顎の骨に埋め込む手術です。
歯ぐきを開き、骨の状態を確認しながら、インプラント体を適切な位置に埋入します。その後、治療法によって歯ぐきを閉じるか、一部だけ部品を出した状態にします。
一次手術で行うこと
- 歯ぐきの切開
- 顎の骨へのインプラント埋入
- 必要に応じた縫合
- 治癒期間に入るための準備
手術そのものは局所麻酔下で行うことが一般的で、強い痛みを感じることは多くありません。痛みについて詳しく知りたい方は、インプラントは本当に痛い?術後いつまで続く?も参考にしてください。
二次手術とは?
二次手術は、骨とインプラント体がしっかり結合したあとに、歯ぐきを少し開いて土台を取り付けるための準備をする手術です。
二回法では、一次手術のあとインプラント体は歯ぐきの中に完全に埋まっているため、そのままでは土台をつけられません。そこで、歯ぐきを整えてアバットメントを接続するために二次手術を行います。
二次手術で行うこと
- 歯ぐきを小さく開く
- インプラント体の頭を出す
- アバットメント装着の準備
- 歯ぐきの形を整える
一次手術より侵襲は小さいことが多く、処置時間も比較的短めです。
なぜ二回法が選ばれるのか
二回法は手術回数が増える一方で、治癒期間中にインプラント体を歯ぐきの中で安定して保ちやすいという利点があります。
二回法の主なメリット
- 骨とインプラントの結合を安定させやすい
- 治癒中の負担や感染リスクを管理しやすい
- 骨造成を伴う症例でも対応しやすい
- 難しいケースでも計画を立てやすい
そのため、骨量が少ない方や、より慎重な治療計画が必要な方では二回法が選ばれることがあります。
一次手術から二次手術までの期間は?
一次手術のあと、すぐに二次手術をするわけではありません。通常は、インプラント体が骨と結合するのを待つ期間が必要です。
この期間は一般的に数か月です。部位や骨の状態、骨造成の有無によって変わりますが、目安としては下顎より上顎の方がやや長くかかることがあります。
- 一次手術
- 治癒期間(骨との結合待ち)
- 二次手術
- 型取り・被せ物の装着
つまり、インプラント治療は手術だけで終わるのではなく、治癒と補綴の工程も含めて進んでいく治療です。費用や全体期間が気になる方は、インプラントは高すぎる?費用相場と安い理由・危険性も参考にしてください。
一次手術と二次手術、どちらが痛い?
一般的には、一次手術の方が処置範囲が広いため、二次手術より負担を感じやすいことがあります。
ただし、一次手術も局所麻酔下で行うため、手術中に強い痛みを感じることは多くありません。術後の腫れや違和感は数日程度出ることがあります。
二次手術は比較的小規模な処置になることが多く、一次手術より軽く感じる方が多いです。ただし、個人差や治療内容によっては違和感が出ることもあります。
術後の注意点
一次手術後も二次手術後も、術後の過ごし方はとても重要です。
- 当日は激しい運動を避ける
- 長時間の入浴や飲酒を控える
- 喫煙を避ける
- 処方薬を指示通りに使用する
- 患部を強く触らない
- 歯科医院の指示に従って清掃する
特に喫煙や清掃不良は、治癒の遅れやインプラント周囲炎のリスクを高めます。
どんな人が一回法・二回法になるの?
どちらの方法になるかは、患者さんご自身で選ぶというより、骨の状態や治療計画に応じて歯科医師が判断することが多いです。
二回法が選ばれやすいケース
- 骨量や骨質に不安がある
- 骨造成を伴う
- 感染リスクに慎重な管理が必要
- より安定性を優先したい
一回法が選ばれることがあるケース
- 骨の状態が比較的良い
- 治療計画上、二次手術を省略できる
- 条件的に歯ぐきの上に部品を出しても問題が少ない
つまり、一回法が上、二回法が下ということではなく、症例に合った方法を選ぶことが重要です。
よくある質問
二次手術は必ず必要ですか?
いいえ。一回法では二次手術を省略できることがあります。ただし、多くの症例では二回法が選ばれることがあります。
一次手術のあと、すぐ歯は入りますか?
症例によります。仮歯を使う場合もありますが、通常は骨との結合を待ってから最終的な被せ物に進みます。
二次手術のあとすぐ噛めますか?
二次手術後は歯ぐきの治癒を待ってから型取りや被せ物装着に進むことが多いです。詳しい流れは症例によって変わります。
まとめ
インプラントの一次手術は、顎の骨にインプラント体を埋め込む手術です。二次手術は、そのインプラント体に土台をつける準備をするために行う手術です。
現在も多くの症例で二回法が使われており、骨の状態や治癒の安定性を見ながら慎重に進めることができます。
大切なのは、「2回手術があるから怖い」と考えることではなく、自分の症例にとってどの方法が安全で合理的なのかを理解することです。
インプラント治療を検討している方は、インプラントや、歯を失ったときのインプラント治療とは?もあわせてご覧ください。
この記事の監修者
スカイビル歯科 院長
三島 彰太
日本歯科大学生命歯学部卒業 / 令和6年 スカイビル歯科院長就任
患者さまの状況やニーズに合わせて、保険治療・自由診療・各種クリーニング・審美治療など、最適な治療をご提案しております。


