最終更新日:2026年4月25日
銀歯を白くしたい時の治療法と費用|保険で白い歯にできる?

- 銀歯が目立つのが気になる
- 笑った時に見える銀歯を白くしたい
- 保険で白い歯にできるの?
このようなご相談は、歯科医院でも非常に多くあります。
以前は、奥歯の治療というと銀歯が一般的でしたが、近年では保険診療でも白い素材を選べるケースが増えてきました。
特に、CAD/CAM冠やCAD/CAMインレーといった保険適用の白い修復物が広がったことで、「できるだけ費用を抑えながら銀歯を白くしたい」と考える方にとって選択肢が増えています。
一方で、保険で白くできるかどうかは、治療が必要な歯か(審美的な理由のみの場合は不可)、どの歯か、噛み合わせはどうか、歯の残り方はどうかなど、症例によって異なります。
また、見た目だけでなく、耐久性や汚れのつきにくさ、再治療のしにくさまで含めて考えると、自費のセラミックやジルコニアが向いているケースもあります。
この記事では、銀歯を白くしたい時の保険適用の範囲、CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーとは何か、保険と自費の違い、費用の比較、奥歯ではどの素材を選ぶべきか、さらに治療の流れやよくある質問まで、歯科医師の視点からわかりやすく解説します。
銀歯を白くしたい時、保険適用でできること

銀歯を白くしたい場合、まず気になるのが「保険でどこまで対応できるのか」という点です。
保険診療では、機能回復を目的とした範囲内のみ(審美的な理由は保険適用外)で白い素材が認められているケースがあります。
CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーとは
保険で使える白い歯の代表が、CAD/CAM冠とCAD/CAMインレーです。
CAD/CAMとは、コンピューターで設計・製作する方法のことで、白いハイブリッドレジンブロックを機械で削り出して作ります。
CAD/CAM冠:歯全体を覆う被せ物
CAD/CAMインレー:部分的な詰め物
どちらも金属を使わないため、従来の銀歯よりも見た目が自然で、口を開けた時に目立ちにくいのが特徴です。
保険適用で白い歯にできる可能性があるという点で、多くの患者さんにとって現実的な選択肢になっています。
ただし、素材としてはレジン系材料を含むハイブリッド素材であり、セラミックやジルコニアとは性質が異なります。
見た目は白くできますが、強度や長期的な変色のしにくさ、摩耗への強さなどは、自費のセラミック系素材とかなりの差があります。
前歯・小臼歯で保険の白い素材を選びやすいケース
保険で白い歯を選びやすい部位として、まず挙げられるのが前歯や小臼歯です。
このあたりは見た目の影響が大きいため、比較的早い段階から白い保険材料が広がってきた部位でもあります。
特に小臼歯の銀歯の材質を白くしたい場合では、CAD/CAM冠が保険適用になることがあります。
また、詰め物の範囲が比較的小さい場合には、部位や症例によってCAD/CAMインレーやコンポジットレジン修復が検討されることもあります。
前歯に関しても、歯の状態によっては保険の白い被せ物を選べる場合があります。
ただし、見た目の自然さや透明感まで重視する場合には、保険よりも自費診療の方が満足度が高くなることも少なくありません。
大臼歯は条件付きで保険適用になることがある
奥歯の中でも大臼歯は、噛む力が非常に強くかかるため、保険で白くできるかどうかがより慎重に判断されます。
大臼歯でもCAD/CAM冠が保険適用になることはありますが、すべてのケースで認められるわけではありません。
歯の位置、噛み合わせの状態、対合歯の有無、歯ぎしりや食いしばりの有無など、いくつかの条件を踏まえて判断されます。
そのため、「友人は保険で奥歯を白くできたのに、自分はできなかった」ということも起こりえます。
保険適用の可否は部位・かみ合わせ・症例で異なる
銀歯を白くしたい時に保険が使えるかどうかは、一律ではありません。
同じ「奥歯の銀歯」でも、
- どの歯か
- どのくらい歯が残っているか
- 噛む力がどのくらい強いか
- 歯ぎしりや食いしばりがあるか
- 噛み合わせのバランスはどうか
- 部分的な詰め物で済むのか、被せ物になるのか
といった条件によって、選べる治療法は変わります。
そのため、保険で白くしたいという希望がある場合でも、最終的には歯科医院で診察を受けたうえで判断する必要があります。
〈令和8年5月までの保険での適用範囲〉

厚生労働省保険局医療課資料参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
※ただし、2026年6月から、保険の白い被せ物(CAD/CAM冠)の活用が更に進むように要件が緩和され、咬合支持の要件が撤廃され、すべての大臼歯に適応拡大されます。
また後続永久歯が先天的に欠如している乳歯に関しても、適応できるようになります。
銀歯を白くしたい時の費用と治療法の比較

銀歯を白くする治療では、「見た目」「費用」「耐久性」のバランスをどう考えるかが大切です。
「安さ」だけで決めると後悔することもありますし、逆に高い素材がすべての方に必要というわけでもありません。
比較表(保険レジン/CAD/CAM/セラミック/ジルコニア)
以下は、一般的な目安としての比較です。
実際の費用や適応は歯科医院によって異なります。
| 治療法 | 保険/自費 | 見た目 | 耐久性 | 変色のしにくさ | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 保険レジン (CR) |
保険 | 小さい範囲 なら自然 |
やや低め | やや変色 しやすい |
数千円程度 |
| CAD/CAM インレー・冠 |
保険 | 白くできる | レジンより高いが限界あり | セラミックより変色しやすい | 保険負担割合により数千円 (1本あたり) |
| セラミック | 自費 | 非常に自然で透明感がある | 高い | 変色しにくい | 数万円〜十数万円程度 |
| ジルコニア | 自費 | 白くて自然、強度重視 | 非常に高い | 変色しにくい | 数万円〜十数万円程度 |
※上記はあくまで一般的な目安です。修復範囲や医院ごとの設定によって変動します。
費用重視・見た目重視・耐久性重視の選び方
どの治療法が向いているかは、何を優先するかによって変わります。
費用をなるべく抑えたい方
保険のレジンやCAD/CAMが候補になります。
「まずは銀歯を白くしたい」「見た目を改善したい」という希望に対して、比較的取り入れやすい方法です。
見た目をしっかり重視したい方
自然な透明感や周囲の歯とのなじみを重視するなら、セラミック、ジルコニアが向いています。
特に笑った時に見えやすい部位では、自費の方が満足度が高い傾向があります。
耐久性を重視したい方
噛む力が強い方、奥歯で長く安定させたい方には、ジルコニアが有力候補になることがあります。
ただし、歯の状態や噛み合わせに応じた設計が重要です。
銀歯を白くしたい時、奥歯はどうする?

前歯や小臼歯に比べて、奥歯は素材選びがより重要になります。
その理由は、噛む力が強く集中しやすいからです。
奥歯は噛む力が強いため素材選びが重要
奥歯は、食べ物をすりつぶす役割を担っているため、前歯よりも大きな力がかかります。
とくに歯ぎしりや食いしばりがある方では、白い素材でも割れたり欠けたりしやすくなることがあります。
そのため、単に「白くしたい」だけでなく、その歯にどれくらいの負担がかかるのか、残っている歯の量は十分か、長期的に安定しやすいかまで考える必要があります。
保険の白い素材と自費セラミックの違い
保険のCAD/CAM冠は、見た目を白くできるという大きなメリットがありますが、材料の性質としてはレジン成分を含むため、セラミックより摩耗や変色が起こりやすい傾向があります。
また、長期的なフィット感や表面性状の安定性という点では、自費のセラミックやジルコニアに分があるケースもあります。
特に奥歯では、単純に「白いかどうか」だけでなく、割れにくさ、外れにくさ、長く使いやすいかが大切です。
そのため、見た目と費用だけでなく、噛み合わせまで含めて素材を選ぶことが重要です。
銀歯を白くしたい時のセラミックのメリットと注意点
銀歯を白くしたい方の中でも、見た目や長期的な安定性を重視する場合によく選ばれるのがセラミック治療です。
見た目・耐久性・二次カリエス予防の面で優れる
セラミックの大きなメリットは、まず自然な見た目です。
色調の再現性が高く、周囲の歯になじみやすいため、「いかにも治療した歯」に見えにくいのが特徴です。
さらに、表面が比較的なめらかで汚れがつきにくく、長期的に変色しにくい点も魅力です。
また、詰め物や被せ物の境目に汚れがたまりにくくなり、二次カリエス(詰め物の下で再び虫歯になること)のリスクを抑えやすいと考えられています。
費用と歯を削る量のバランス
一方で、注意点もあります。
まず、自費診療になるため費用負担は大きくなります。
また、選ぶ材料や治療法によっては、適切な形に整えるためにある程度歯を削る必要があります。
もちろん、近年は接着技術や材料の進歩によって、できるだけ歯を残す治療も重視されていますが、
「白くしたいから何でもセラミックが一番」というわけではありません。
歯の残り方や噛み合わせ、修復範囲とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
銀歯とレジン、どっちがいい?
銀歯を白くしたい時、「小さい範囲ならレジンでいいの?」「それとも銀歯の方が長持ちするの?」と迷う方も多いと思います。
小さい修復ならレジンが適するケース
虫歯の範囲が小さい場合には、コンポジットレジン(CR)で直接詰める方法が適していることがあります。
1日で治療が終わることも多く、歯を削る量を最小限にしやすいのがメリットです。
また、保険適用で白くできるため、費用も比較的抑えやすい方法です。
小さな銀歯を白くしたい時の選択肢として有効なケースです。
大きい修復にはレジンが不向きな理由
一方で、虫歯が大きい場合や、噛む力が強くかかる部分では、レジンだけでは耐久性が不足しやすいことがあります。
欠ける、すり減る、外れる、変色しやすいなどの問題が出やすくなるため、大きな修復には向かないことがあります。
このような場合には、CAD/CAMインレー、セラミック、ジルコニアなど、より強度や適合性を考えた治療法が適しています。
銀歯を白くする治療の流れ
実際に銀歯を白くしたい場合、どのように治療が進むのでしょうか。
一般的には、次のような流れで進みます。
※あくまで一般的な流れになります。お口の中の状態によって治療法は異なります。
- カウンセリング・歯の状態チェック
- 銀歯の除去・虫歯チェック
- 型取りまたはダイレクト修復
- セット・噛み合わせ調整
STEP1:カウンセリング・歯の状態チェック
まずは、「どの銀歯を白くしたいのか」「見た目を重視したいのか、費用を抑えたいのか」「保険を優先したいのか」といった希望を確認します。
そのうえで、虫歯の有無、歯の残り方、噛み合わせ、歯ぎしりの有無などを確認し、選べる治療法を提案します。
STEP2:銀歯の除去・虫歯チェック
今入っている銀歯を外し、その下に虫歯がないかを確認します。
銀歯の下で二次カリエスが起きていることは珍しくないため、この確認はとても重要です。
虫歯があれば、まずはそれをしっかり除去します。
STEP3:型取りまたはダイレクト修復
修復範囲が小さい場合は、レジンを直接詰めるダイレクト修復で対応できることがあります。
一方、範囲が大きい場合は、型取りや口腔内スキャンを行い、詰め物や被せ物を製作します。
STEP4:セット・噛み合わせ調整
完成した修復物を装着し、噛み合わせを細かく調整します。
白い歯は見た目だけでなく、噛み合わせが合っていることが長持ちのために非常に大切です。
よくある質問
Q. 銀歯を白くするのに保険は使えますか?
A. 「白くしたい」という審美的な理由のみによるやりかえはできません。 治療が必要な症例によっては保険で白い歯にできることがあります。 代表的なのはCAD/CAM冠やCAD/CAMインレー、コンポジットレジン修復です。 ただし、すべての歯・すべてのケースで適用になるわけではありません。
Q. 奥歯はCAD/CAM冠とセラミックのどちらが向いていますか?
A. 費用を抑えて白くしたい場合はCAD/CAM冠が候補になります。 一方で、見た目や耐久性、長期的な安定性を重視する場合はセラミックやジルコニアが向いていることがあります。 噛み合わせや歯ぎしりの有無によっても適した素材は変わります。
Q. 銀歯を全部白くすると総額いくらですか?
A. 本数、部位、保険か自費かによって大きく異なります。 保険中心であれば比較的費用を抑えられますが、自費のセラミックやジルコニアで複数本治療する場合は総額が大きくなることがあります。 また、保険治療で白くする場合、う蝕など治療の必要な歯のみ適応になります。 正確な費用は診察のうえで見積もりを確認するのが安心です。
Q. 保険の白い歯はどのくらいもちますか?
A. 使用部位、噛み合わせ、歯ぎしりの有無、お手入れの状態によって変わります。 保険の白い歯も適切に使えば一定期間機能しますが、材料の性質上、セラミックやジルコニアに比べると摩耗や変色、破損のリスクはやや高くなることがあります。
まとめ
銀歯を白くしたい時は、保険で対応できるケース(審美目的は不可)と自費診療の方が向いているケースがあります。
保険ではCAD/CAM冠やCAD/CAMインレー、レジン修復などの選択肢があり、費用を抑えながら白い歯にできる可能性があります。
一方で、見た目の自然さ、耐久性、変色のしにくさ、長期的な安定性まで重視する場合には、セラミックやジルコニアが適していることもあります。
特に奥歯は噛む力が強いため、単に「白くしたい」だけでなく、どの素材がその歯に合っているかを考えることが大切です。
銀歯を白くする治療は、見た目の改善だけでなく、今後の再治療リスクや使いやすさにも関わるため、歯の状態に合った方法を選ぶことが重要です。
- 「保険で白い歯にできるか知りたい」
- 「銀歯をセラミックにするか迷っている」
- 「奥歯の銀歯を白くしたいけれど、どれが合うかわからない」
という方は、まずは歯科医院でご相談ください。
診察のうえで、見た目・費用・耐久性のバランスを考えた治療方法をご提案できます。
参考文献・参考情報
- 厚生労働省 保険局医療課「歯科診療報酬に関する資料」:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の治療の流れ」:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-01-004
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-04-002
この記事の監修者
スカイビル歯科 院長
三島 彰太
日本歯科大学生命歯学部卒業 / 令和6年 スカイビル歯科院長就任
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