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痛い歯医者と痛くない歯医者はどこが違うの?

最終更新日:2025年11月6日

痛い歯医者と痛くない歯医者はどこが違うの?

痛くない歯医者さんをご希望する患者様は多いです。
患者様からしてみたら痛い歯医者さんよりも痛くない歯医者さんを希望されるのは当然だと思います。
痛い歯医者と痛くない歯医者の違いを解説します。

どんな治療で痛みが出るのか?

そもそも歯医者の治療で痛みが出るのは次の治療です。

①虫歯治療(う蝕処置)

初期の虫歯ではほとんど痛みを感じませんが、進行して神経近くまで達すると、削る際に痛みを伴うことがあります。
そのため、多くの場合局所麻酔を使用します。

神経まで炎症が及んでいる場合は、麻酔が効きにくくなることもありますが、ゆっくり時間をかけて注射することで痛みを軽減できます。

しかし、神経の近くまでう蝕が及んでいる場合、虫歯治療後に痛みが一時的に出ることがあり、痛みが一定の期間経っても落ち着かない場合、神経を取る治療を行わなければならない場合があります。

②抜髄(ばつずい)=神経を取る治療

虫歯が深く進行して神経に炎症が起きた場合、痛みを取り除くために抜髄(神経の除去)を行います。

炎症が強いときは、麻酔が効きにくく「ズーンと響く痛み」を感じることがありますが、治療中の痛みは可能な限り抑えます。
処置後は、炎症が落ち着くまで1〜2日ほど軽い違和感や鈍痛が出ることがあります。

③感染根管治療(再根管治療)

過去に神経を取った歯でも、根の先に細菌が入り込み、再感染することがあります。
この場合、感染した部分をきれいに取り除くために「感染根管治療」を行います。

歯自体に神経は残っていないので痛みは感じにくいですが、根の先端付近を触る時に「チクッ」とした痛みを感じることがあります。
また、治療後に軽い腫れや痛みを感じることがありますが、時間とともに改善します。

炎症の原因となる細菌を丁寧に除去することで、再発を防ぐことができます。

④麻酔注射

歯科治療で避けて通れないのが麻酔です。
注射時の「チクッ」とした痛みはありますが、当院では表面麻酔を塗布してから細い針でゆっくり注入するため、痛みを最小限に抑えられます。

下の奥歯(下顎)は骨が硬く麻酔が効きにくいことがありますが、電動麻酔器を使用して痛みを感じにくくしています。

⑤親知らずの抜歯

親知らずが骨や歯茎に埋まっている「埋伏智歯(まいふくちし)」の抜歯は、切開や骨削除を伴うため、術後の痛み・腫れが強く出ることがあります。

手術中は麻酔が効いているため痛みはなく、術後は痛み止めでコントロール可能です。
通常、2〜3日目が痛みのピークで、その後徐々に落ち着いていきます。

⑥歯周外科処置(歯ぐきの外科治療)

歯周病が進行すると、歯石や感染した組織を除去するために歯周外科手術(フラップ手術など)が行われることがあります。

この処置では歯ぐきを一部切開して根の表面を直接清掃するため、軽い痛みや腫れが出る場合があります。

ただし、手術中は麻酔をしっかり効かせて行うため、治療中の痛みはほとんどありません。
術後は抗生剤や鎮痛剤で炎症を抑えながら回復をサポートします。

⑦インプラント手術

インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込む外科処置です。

手術中は局所麻酔または静脈内鎮静法を用いるため、痛みを感じずに処置を受けられます。

術後は1〜3日ほど軽い痛みや腫れが出ることがありますが、鎮痛剤で十分にコントロール可能です。
複数本の埋入でも、麻酔や鎮静の工夫で快適に治療が受けられます。

⑧歯石除去・クリーニング

軽度の歯石除去であれば痛みはほとんどありませんが、歯ぐきが腫れていたり歯石が深く付着している場合には、チクチクとした痛みが出ることがあります。

定期的にクリーニングを行っていれば痛みは軽く、出血も少なく済みます。

⑨矯正治療(ワイヤー・マウスピース)

歯を少しずつ動かしていく矯正治療では、調整直後に歯が浮くような痛みを感じることがあります。

通常2〜3日で落ち着き、痛みは自然に消えていきます。

痛い歯医者と痛くない歯医者の違い

痛い歯医者はこうしてるから痛みが出る、痛くない歯医者はこういうことに気をつけてるから痛みが出ない(前述の「痛みが出る治療」を絡めて)

「歯医者は痛い」と思われがちですが、実は医院によって痛みの感じ方に大きな差があります。
その違いは技術と診療姿勢(配慮)にあります。

ここでは、痛みが出やすい治療を例に、痛い歯医者がしてしまいがちなポイント、痛みの少ない歯医者が実践している工夫をご紹介します。

痛い歯医者に共通する特徴

歯科医院によって「痛み」が大きく違うのは、技術・考え方・設備・配慮に差があるためです。
ここでは、痛い歯医者にありがちな特徴を、原因とともに詳しく解説します。

① 表面麻酔を使わない・短時間で済ませる

麻酔注射の痛みを和らげるための表面麻酔を省略したり、塗っても十分な時間を置かずにすぐ注射する医院は、針を刺した瞬間に鋭い痛みを感じがちになります。

② 麻酔注入が速すぎる(痛みの最大原因)

歯ぐきの内部は狭い空間なので、そこに一気に麻酔液を注入すると、圧が急激に上昇して痛みや圧迫感につながります。

痛くない歯医者は、ゆっくり・一定圧で注入しますが、痛い歯医者は注入速度のコントロールが甘い傾向にあります。

③ 麻酔が効く前に削り始める

麻酔には“浸透時間”が必要です。
効き始める前に治療を開始すると痛いので、確認なくスタートする医院は注意が必要です。

④ 痛みの訴えに気づかない・止めない

痛くない歯医者は、患者のわずかな反応(眉が動く、肩が上がる)を見逃しません。

一方、痛い歯医者は

  • 目線が材料や器具だけ
  • 患者の表情を見ていない
  • 痛がっても止めない

これは配慮不足の代表例です。

⑤ 治療中の声かけがほとんどない

黙々と施術されると、患者は無意識に緊張し、筋肉が硬直します。
硬直=痛みを強く感じる状態。

声かけひとつで痛みは変わります。

痛い歯医者ほど、コミュニケーションが少ない傾向にあります。

⑥ 噛み合わせ調整が雑・短時間

詰め物や仮歯を入れた後、噛み合わせが高いと、神経を圧迫し歯根膜炎を起こし、ズキズキする痛みにつながります。

これが非常に多い治療後の痛みになる場合があります。

⑦ 腫れている炎症期に無理に処置

炎症ピーク時は麻酔が効きづらいことがあります。

症状、病態によりますが、炎症を薬でコントロールし、痛みを落ち着かせてから後日処置を行うなど判断が必要です。

⑧器具操作が粗い・強引

器具で唇や頬を引っ張りすぎたり、ワイヤーが当たって痛かったなど、丁寧さ・器具の扱い方で痛みは大きく変わります。

⑨外科処置で切開・骨削除が大きい

親知らず抜歯や歯周外科で、切開が大きい、不要な骨削除、縫合が粗いと術後痛・腫れが強く出る可能性があります。

技術差が最も痛みに反映される部分です。

⑩説明不足で不安が増幅(=痛みを強める)

心理学的に、不安 → 痛覚過敏が起きやすいというデータがあります。

説明が曖昧だと、想像で怖くなり、痛みが増幅しやすいです。
痛い歯医者ほど、事前・術中の説明が少ない傾向にあります。

⑪ 治療スピードが異様に早い

早い=良い治療とは限りません。

短時間治療は、丁寧さ不足、麻酔確認不足、切削精度低下につながる可能性があります。

⑫ 術後ケアの指導なし

「薬不要、何も説明なし」で帰す医院は要注意です。

炎症管理・アイシング・飲食制限など、説明の有無で痛みは変わります。

痛みの少ない歯医者に共通する配慮

① 表面麻酔+ゆっくり麻酔

表面麻酔で歯茎の感覚を麻痺。
さらに電動麻酔機で低圧・定速注入することで極限まで痛みを抑えることができます。

② 治療前の炎症ステージの見極め

感染根管治療(歯の根の治療)・歯周外科処置など、腫れが強い時はあえて鎮静・抗炎症を先に行うことがあります。

③ 痛みを逐一確認しながら進行

「少し響きます」「痛みませんか?」の声掛けで安心感が増加します。
痛みに気付けば、すぐ麻酔を追加し、無理をさせません。

④ 噛み合わせ調整の徹底

詰め物・被せ物・仮歯を入れた後、わずかな違和感も調整して痛みを予防します。

⑤ 感染を“確実”に取り除く技術

特に感染根管治療では

  • ラバーダム防湿
  • Ni-Tiファイル
  • マイクロスコープ

などを活用し、痛みの元を丁寧に除去します。

⑥ 外科処置の低侵襲化

親知らず抜歯や歯周外科で、切開範囲を最小限にし、腫脹を抑える薬剤や術後ケアを行うことで痛み・腫れの軽減につながります。

痛くない歯医者の選び方

後悔しないための8つのチェックポイント

①麻酔の上手さは設備+手技で決まる

  • 表面麻酔の有無
  • 電動麻酔器の導入
  • 麻酔スピードがゆっくり

②マイクロスコープ・拡大鏡の使用

歯は非常に細かい組織で、肉眼では限界があります。

拡大視野を使うことで「余計な部分を削らない」「神経の刺激を減らせる」「感染を確実に除去できる」ため、痛み・再発リスクを大幅に低減できます。

③ラバーダム防湿が根管治療の質を決める

根管(神経の管)は細菌感染しやすく、痛みが出やすい分野。
ラバーダムがない医院は、唾液内の細菌が侵入するリスクが上がり、炎症性の痛みが強く出ることもあります。

④治療計画の説明が丁寧か

痛みの少ない医院ほど、

  • なぜ痛いのか
  • どうすれば抑えられるか
  • 何回かけて治すべきか

を丁寧に説明してくれます。

⑤炎症が強い日に無理に削らない

炎症がピークの時期は麻酔が効きにくい特徴があります。

痛くない医院ほど、

  • 痛み止めで炎症コントロール
  • 後日、痛みピークを回避して処置
  • 患者さんに選択肢を提案してくれます

⑥治療中の声かけ・確認の頻度が多い

痛みが出る瞬間は突然です。

痛くない歯医者は、
「ズンズン響きますね」
「痛かったら手を挙げてください」
「追加麻酔しますね」
と細かく確認してくれます。

⑦噛み合わせ調整が繊細・丁寧

詰め物や仮歯がわずかに高いと、

  • 神経が炎症
  • じんじん痛む
  • 噛むだけで激痛

など噛み合わせの精度=痛みの出方に大きく影響します。
調整が適切な医院ほど、痛みが少ない傾向にあります。

⑧外科処置(親知らず・歯周外科)が低侵襲

親知らず抜歯や歯周外科は術後痛が出やすい分野。

痛みを抑える医院は、

  • 切開ライン設定が繊細
  • 骨削除量を最小限に
  • 術後の止血・薬処方・説明が丁寧

「抜歯は力で引っ張る」医院ほど痛く腫れます。

痛くない歯医者はこの姿勢が違う

①患者ファースト

痛みを我慢させません。

②無理な処置をしない

炎症ピークは避けるなど痛みがでにくいタイミングなどを考えてくれます。

③コミュニケーション重視

安心は痛みを軽減させてくれます。

④治療後のフォローが丁寧

生活習慣の指導・薬の説明などをきちんとしてくれます。

まとめ

もし、これまで「痛いから歯医者に行きたくない」と感じていた方がいたら、ぜひ今回の内容を参考に、医院選びをしてみてください。
技術も姿勢も日々進化しており、痛みが少ない治療を実現できる医院は増えてきています。

歯の悩みは、放置すればするほど、痛みも費用もリスクも増加します。
だからこそ、痛くない歯医者選びは、患者さんの人生にとってとても重要な価値があります。

「歯医者は痛い」という常識は、もう古いもの。
あなた自身が適切な医院を選ぶことで、治療体験は大きく変わります。

安心して通える歯科医院を見つけることは、健康寿命を延ばし、笑顔を守るための第一歩。
本コラムが、少しでも患者さんの不安を和らげ、歯科治療に前向きになれるきっかけとなれば幸いです。