インプラントの寿命は何年?10年後の残存率90%を実現するメンテナンス方法
インプラントは「半永久的に使える」と言われることもありますが、実際にはどのくらい長持ちするのでしょうか。
この記事では、インプラントの平均寿命、他の治療法との比較、寿命を左右する要因、長く保つためのケア方法について詳しく解説します。
インプラントの平均寿命は?
インプラントの寿命は、一般的に10〜15年とされています。
ただし、適切なメンテナンスを続ければ20年以上使い続けられるケースも珍しくありません。
海外の研究データでは、10年後の残存率が約90〜95%と報告されています。
つまり、多くの方が10年以上問題なく使い続けているということです。
他の治療法との比較
ブリッジや入れ歯と比べると、インプラントは耐久性と安定性の両面で優れています。
治療法 | 平均寿命 | 特徴 |
---|---|---|
インプラント | 10〜15年以上 | 天然歯に近い噛み心地。骨が痩せにくい。 |
ブリッジ | 7〜10年 | 隣の歯を削る必要がある。土台の歯に負担。 |
部分入れ歯 | 5〜8年 | 見た目や装着感が劣る。支えの歯に負担。 |
インプラントの寿命を左右する要因
1. メンテナンス不足
インプラントの大きな敵は「インプラント周囲炎」です。
歯周病と同じように、歯ぐきや骨に炎症が起こることで支えが弱くなり、最悪の場合インプラントが脱落してしまいます。
定期的なクリーニングと検診が不可欠です。
2. 歯ぎしり・食いしばり
強い力がインプラントや骨に加わると、スクリューの緩みや上部構造の破損につながります。
就寝時のナイトガード(マウスピース)装着で予防できます。
3. 喫煙
喫煙は血流を悪化させ、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)を妨げます。
また、術後の感染リスクも高くなります。治療前後の禁煙・減煙が推奨されます。
4. 全身疾患や服薬
糖尿病・骨粗しょう症・自己免疫疾患などは、骨の再生力や免疫力に影響を与えます。
薬の影響も含め、主治医と連携しながら慎重に治療を進めます。
5. 手術時の精度
CTによる骨の厚み・神経位置の確認が不十分だと、埋入位置のずれや骨へのダメージが起こる可能性があります。
正確な診断と計画が寿命に直結します。
インプラントを長持ちさせるケア方法
自宅でのセルフケア
- 柔らかめの歯ブラシを使用する
- 歯間ブラシ・デンタルフロスで隙間を清掃
- 殺菌効果のある洗口液を併用
- 毎日、朝晩のブラッシングを習慣化する
歯科医院でのプロフェッショナルケア
3〜6ヶ月ごとの定期検診で、噛み合わせのチェックやプラーク・歯石除去を行います。
専用の器具を使って金属やセラミックを傷つけないように清掃します。
定期検診で確認するポイント
- インプラント周囲の歯ぐきの状態
- 骨吸収の有無(レントゲン確認)
- スクリューや被せ物の緩み
- 噛み合わせのバランス
上顎と下顎で異なるインプラントの寿命
一般的に、下顎の方が骨が硬く密度が高いため、成功率・寿命ともにやや長い傾向があります。
一方、上顎は骨が柔らかく、骨量が少ないケースが多いため、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)などの骨造成を併用することがあります。
インプラントの寿命に関するよくある質問(FAQ)
Q. インプラントは一生使えますか?
適切なメンテナンスを行えば、20年以上問題なく使用できるケースもあります。
ただし、天然歯と同じようにメンテナンスを怠ると寿命は短くなります。
Q. インプラントが取れることはありますか?
骨としっかり結合すれば簡単には取れません。
しかし、歯周病や噛み合わせの不具合、強い外力などで脱落することもあります。
違和感がある場合は早めに受診しましょう。
Q. 費用やメンテナンスは保険適用ですか?
インプラント治療は保険適用外の自費診療です。
ただし、メンテナンス時のクリーニングや定期検診など一部処置が保険適用となる場合もあります。
まとめ
インプラントの寿命は平均10〜15年ですが、正しいケアを続ければ20年以上長持ちします。
寿命を左右するのは「メンテナンス」「生活習慣」「歯科医院選び」の3つです。
日常のブラッシングと定期的な検診を欠かさず行い、トラブルの早期発見・早期対応を心がけましょう。