歯のクリーニングとホワイトニングの違いとは?
皆さんこんにちは。矯正治療、予防、審美治療、インプラント治療など幅広い診療を行う横浜の歯科医院、スカイビル歯科です。
毎日の歯みがきだけでは取り切れない歯垢や着色汚れ、気になりませんか?
「歯医者さんのクリーニングって何が違うんだろう?」患者さまからもよくご質問をいただきます。
今回は、歯科医院で受けるプロのクリーニング「PMTC」と「ジェットクリーニング(エアフロー)」について、それぞれの仕組みやメリットをわかりやすく解説します。
PMTCとジェットクリーニングの違いとは?歯科医がやさしく解説
歯科医院で受けられる歯の清掃にはさまざまな方法がありますが、最近よく耳にするのが「PMTC」と「ジェットクリーニング(エアフロー)」です。
クリーニングとホワイトニングの基本的な違いとは?
目的・アプローチ・効果の違いで解説
クリーニングとホワイトニングは、どちらも歯をキレイにするための処置ですが、目的・アプローチ・効果の面で明確に異なります。
1.目的
まず、両者の目的の違いについて解説していきます。
クリーニングは、歯の表面についた歯石や着色汚れ(ステイン)を取り除くことで、歯の健康を守るための予防処置です。
一方のホワイトニングは、歯の内部にある色素に働きかけ、歯そのものの色を白く明るくする審美処置です。
項目 | クリーニング | ホワイトニング |
---|---|---|
目的 | 歯の表面の汚れ・歯石の除去 | 歯そのものの色を白く明るくする |
主な対象 | 歯垢・歯石・着色汚れ(ステイン) | 加齢や遺伝などによる黄ばみ・くすみ |
2.アプローチ
アプローチにも大きな違いがあります。
クリーニングは、超音波スケーラーや専用ブラシなどで、歯の表面を物理的にきれいにします。歯垢・歯石を除去します。
ホワイトニングは、過酸化水素などを主成分とした薬剤を使い、歯の中の色素を化学的に分解・漂白する処置です。
項目 | クリーニング | ホワイトニング |
---|---|---|
処置内容 | 専用器具での歯石除去、研磨、ステイン除去 | ホワイトニング剤(過酸化水素など)を用いた化学的処置 |
所要時間 | 約30~60分/回 | 約60~90分/回(オフィスホワイトニングの場合) |
使用薬剤 | 使用しない(研磨剤などは使用) | 漂白成分を含む専用薬剤 |
3.効果の違い
そして最も気になるのは見た目への効果です。
クリーニングは、歯本来の色に戻す処置。言い換えれば「素肌を洗う」ようなもの。
ホワイトニングは、本来の色よりもワントーン、ツートーン明るくするイメージです。
「歯を白くする=ホワイトニング」ではない?誤解しやすいポイント
「歯を白くしたいんです」と来院される患者さんは多くいらっしゃいます。
そんな時、皆さんが真っ先に思い浮かべるのがホワイトニングかもしれません。
しかし、その「白くしたい歯」、本当にホワイトニングが必要ですか?
〈誤解しやすいポイント〉
① 着色汚れが原因のことも
コーヒー・紅茶・赤ワイン・タバコなどによる表面の着色(ステイン)は、ホワイトニングではなくクリーニングで落とすことができます。
この場合、薬剤による処置をしなくても、本来の白さを取り戻せます。
② ホワイトニングは「漂白」、クリーニングは「洗浄」
ホワイトニングは、歯の中にある色素を薬剤で分解・漂白する処置です。
一方で、クリーニングは歯の表面を物理的に洗浄・研磨する処置です。
③ 白さの基準が人によって違う
「もっと白くしたい」の基準は人それぞれ。
すでにきれいに磨かれていて、クリーニングではなく、ホワイトニングでないと変化が感じられない場合もあります。
まずは歯科での診査・カウンセリングが重要です。
「白くしたい」と感じたら、まずは現状の汚れや着色の有無を確認し、クリーニングで十分か、ホワイトニングが必要かを見極めることがベストな第一歩です。
歯石除去や歯周病の治療・予防を目的としたクリーニングは、保険診療として受けることが可能です。
ただし、歯周病の治療・予防の一環として行うことになるため、回数や期間に制限があります。
また、審美目的だけ(見た目の美しさだけを目的としたクリーニング)は保険適用外となります。
〈ホワイトニング〉
ホワイトニングは「見た目を良くするための処置」であり、病気の治療とはみなされないため、保険は適用されません。
ホワイトニングを行う場合は、どのような場合でも保険適応外となります。
クリーニングとホワイトニングのよくある質問
どっちから始めればいい?順番はある?
まずはクリーニングからが基本です。
理由としては、以下のようなものがあげられます。
① 汚れがあるとホワイトニングの効果が出にくい
歯の表面に歯石やステイン(着色汚れ)が残っていると、ホワイトニング剤が歯にしっかり浸透しません。
まずクリーニングで表面をきれいに整えることで、ホワイトニングの薬剤が均等に作用しやすくなります。
② クリーニングだけで白くなるケースも
見た目のくすみや黄ばみが、コーヒー・紅茶・タバコなどによる表面の汚れだった場合、ホワイトニングをせずとも、クリーニングだけで十分きれいになることもあります。
③ 口腔内の健康チェックにもつながる
ホワイトニングを始める前には、虫歯や歯周病の有無も確認する必要があります。
クリーニングでは歯石除去や歯ぐきの状態もチェックするため、お口全体の健康管理にもつながります。
歯の色戻りを防ぐにはどうすればいい?
ホワイトニング後の歯は、表面が一時的にデリケートな状態になっています。
そこに着色しやすい飲食物や習慣が重なると、再び色素が取り込まれやすくなってしまいます。
〈色戻りを防ぐ5つのポイント〉
① 着色しやすい飲み物は控えめに
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、チョコレートなどは着色の原因になります。特にホワイトニング直後24〜48時間は、なるべく避けるのが理想です。
② 喫煙を控える・やめる
タバコのヤニは、歯の着色最大の原因です。せっかくの白さが台無しになってしまうため、可能であれば禁煙をしてください。
③ 着色しにくい食生活を意識
「ホワイトフード」と呼ばれる、着色しにくい食材を中心に摂ると安心です。例:お粥、うどん、白身魚、豆腐、鶏むね肉、白米など
④ 定期的なクリーニングを受ける
月日が経てばどうしても軽い着色汚れ(ステイン)はつきます。定期的な歯のクリーニング(PMTC)で、それをしっかり落とすことが色戻り予防に直結します。
⑤ ホームホワイトニングやタッチアップで白さキープ
「ちょっと色が落ちてきたかな?」と思ったら、ホームホワイトニングの継続やタッチアップ(再ホワイトニング)がおすすめ。年1〜2回のメンテナンスで、理想の白さを維持できます。
妊娠中・授乳中でも受けられますか?
妊娠中・授乳中のホワイトニングは、原則としておすすめしていません。
理由は、安全性が十分に確立されていないためです。
ホワイトニングに使う薬剤(過酸化水素や過酸化尿素)が母体や胎児・母乳に悪影響を及ぼすという明確な報告はありませんが、「安全と断言できるだけの研究データもない」のが現状です。
また、ホルモンバランスの変化で知覚過敏や歯ぐきの炎症が起きやすい状態にあるため、ホワイトニングによってしみたり、痛みを感じやすくなる可能性があります。
授乳中も同様に、リスクがゼロとは言い切れないため、多くの歯科医院では「授乳が終わってからの施術」を推奨しています。
ただし、どうしても希望される場合は、かかりつけの医師や歯科医師と相談の上で判断することになりますので必ず事前にご相談をお願いします。
まとめ
どちらも大切なのは、正しい知識で目的に合ったケアを選ぶことです。
まずはお口の状態を確認し、歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。
健康的で美しい笑顔のために、私たちがしっかりサポートいたします。